嫌いだ嫌いだと言いながら、それだけ相手を考えている。
空っぽだと罵りながらも、ちゃんと相手を見ている。
言葉を借りるなら、「コインの表裏はどちらも同じであるよう」だろう?
あの子にとって俺もそうであったらいいのに。
何度も否定しながらも、確かめる様に同じ言葉を繰り返す。
真っ直ぐ少年を見て、冷たい「嫌い」を突き立てる。
瞳の中にある迷いを丸見えにしながら。
もう光には戻れない少年らは、影の中で。
片っぽだけ脱げた靴は、日向に投げ出されたまま。
僅かに震える手を見て、少年は嘲るが如く笑顔を貼りつけた。
より一層慄いたあの子は、やっぱり風船のようだと悪態をつく。
そして、本当に戻れやしないのだと、静かに涙をこぼす。
真実を知らなければ、幸せだったのに。
嘆いても知らない過去には戻れないから。
此処で踊るしかないのだ。