女は雨の日に、人が出歩かないのを知っているかのように
日中にやってきては帰って行った。
ぬかるんだ道に足跡が残り
倒れた草が道を作る。
女が風上に向かって行く。
雨と風の音が先を拒んで行く。
小雨になったかと思った瞬間羽ばたく音が聞え
鳥の先に大きな蜜蜂の巣が見えた。
壊れたところがある蜂の巣は
蝋燭と同じ薄い黄色ををしていた。
足元には女が持っていた葉の木が
根元から枝分かれをしている。
人は養木を手に小雨の中戻った。
晴れた翌日
人が苗木を植えていると
隣人が声を掛けた。
「木を育てるの?」
「ああ、ここで大きくなればなって思って」
「何処かに行くのかと思ってた」
「暗闇の中に見えたんだよ」
「何の話し?」
「それがさ…」
ひときわ美しい夕焼けが始まり
人は苗木に落ちるのを見守った。
小さな苗木の影が太陽と消えて行く。
人は陽が暮れる前にいつものように帰途に着いた。
女は手ぶらでやってきて
「残念」
そういうと陽が落ちると共に鳥に変わってしまった。
人が驚いていると
「この風羽の芯がなくなるまで蝋燭を作りたかったのに」
蝋が溶け出し、焚き火の前で毛繕いすると
羽根は鳥に戻り艶々と輝いている。
「私が何も持たなくなっても、二人で見たかったのに」
鳥は助けて貰った寝床にとまり丸い瞼を閉じると
涙が流れた。
「ありがとう」
鳥は暗い夜空に羽ばたいて行った。
月の光りに翼が映った。
おしまい☆☆☆
今朝、初めて今冬、雪が積もりました。
雪が溶ける軒だれの音はのんびり優雅。
それぞれの役割りがあるように
自分の役割りを楽しみたい♪
不思議だね、美しい景色が見える。
暖かく過ごせますように。



