暖かい冬、3月に入り

突然、雪が舞った14日

函館山の頂上にあるホールで行われた

山下洋輔さんのソロ・ライブにうかがいました


mirror guumii


ロープウェイ往復搭乗券付きで

日にちが近づくにつけ

箱・天上・かぐや姫みたいな

姫気分が盛り上がる


現実は吹雪のなか

韓国人ツアー客といっしょに時間ぎりぎりに乗船

白いコートの彼女がきゅっと握った手を離さない熟年カップルの隣り


前が空いていると勧められ

赤い座席シートのなか、補助席の一番前に

ピアノの向こうにガラス張り、夜景は見えない

スタンドマイクが70cmくらい前にある


ご本人が登場され

想像以上にがっちりされててびっくり

和柄なベストが騎士っぽい


この季節にこのホールでライブをされて、20周年だそう

パチパチ!

いつも今シーズンが始まるって、気持ちが新たになると

新しさを積む若さ


駈け歌い踊る音

憂いまどろみ戻される


綺麗な夜景をバックにしての演奏のほうが多かったとのこと

嵐も初心に戻れってメッセージかもと、笑う


「ラプソディ・イン・ブルー」の始まりといっしょに

黄色い雷が、チカチカ舞う、サイレンス

途中、優しすぎて、涙が出た

最後は雷がピアノに落ちたみたいに

ピアノの金色の弦が揺れ鳴りさんざめく

金の雷


5月に初演されるという

一柳としさん作曲の「ピアノ協奏曲第4番」もどき…の曲を

聴かせていただいた時も雷

「ありがとう。」って、ありがとう


「Haiku」

も面白かったな

ひねりたくなる


猫がピアノの上を駆けてるような

にゃんこタッチ

素晴らしい

そして可愛くて、笑っちゃう


肘弾きも激しいながら

音がまろやか


宇宙船にのったみたいに

吹雪のなか、雷も避け、飛行

驚き喜び、思い動かされ、乗船


最後の乗り組み員

補助席、シートベルトなしが

私にお似合い


ラストの「ボレロ」で

鍵盤の端から端へ

人生の端から端

人生の底から上へ

今の「ボレロ」


楽しかった

ありがとう


全員でロープウェイに乗り帰還


走り出す車が雷みたいに光り去る


現実の生活のなかで見失いそうな

大切なことを気づかせ守ってくれる

騎士みたいだった

にゃんこでナイト


大好きだった岸田今日子さんにもお礼を言いたい

ご紹介ありがとう


mirror guumii


翌朝は真っ白な雪景色だった

姫は白がお似合い