仕事から帰ってきて、ふと目を机の上にやるとそ大切な人から貰った綺麗な装丁のノートが目に入った。
手に取ってみる。
あの人の手から手渡されたそのノートは、その人のぬくもりをそのまま伝えてくれる。
表紙を撫でてみる。あの人の頬を髪を撫でるように。
そしたら途端に愛おしさが込み上げ、同時に涙が溢れて止まらなくなった。
...ちゃん(涙)
恋しい
ただただ恋しい
恋しくて
恋しくて
思った。
やだ。
その世界から離れるなんてやだ。
やだよぉ...
やだ...
駄々をこねる自分の中の幼い命をどうすることもできない。
確かに、こんな俺のことを深く慕い思ってくれる今の彼女はとても大切な存在であり、愛おしい存在である。
けど、そう簡単にあの人への想いをどうこうするなんてできない。
仕事から離れて緊張感から解放され、車で1人になると、いつも気づけば泣きながら運転している。もっとも、ずっとなわけはなく、刹那の話だけど。
助手席を見ながら思う。
ここにいたのに。
つなぐ先のない左手が寂しい。
このノートに新しい彼女との日々を綴れば、いつか解放される時が来るのだろうか?
なんてことを書いている最中に彼女からラインが来た。
新しいお布団カバーが届いたとか。
そんなささいなことのやりとりで、二人の関係を縮めていくんだ。
襲いかかってくる寂しさや悲しさは防ぎようがないけれど、今は頼られ必要としてくれる人がいる。
すごく必要だと言ってくれる。
彼女は俺が欲しかった言葉をくれる。
だから、守らなきゃ。
いや、守りたい。
そして、絶対に離したくない。
彼女を愛し続けていくんだ。
そう、心に誓う。
誓う。