ドッペルゲンガー | 怖い話 総本山 ダイスケワールド

ドッペルゲンガー

二年位前の話

仕事帰りに 車でオカマ掘られた事があったんだ。
信号待ちで停止していたら 後からよそ見運転のトラックが ドーン! と‥‥
一瞬 何が起こったのか分からなかったんだけど とっさに後ろを振り返ったらすぐに状況は理解できた。
 フルスモークだった俺の車は夜になるとバックミラーの意味が無くなる程リアウィンドウは暗いはずなのに はっきりとトラックが見えた。
 「あぁ、突っ込まれたのか・・」
事態を把握し前を向いた時 首に激痛が走った。
ムチウチらしい。
トラックの運転手が真っ青な顔をして運転席の横に来た。
「よかったぁ、生きてた・・」

なんだそりゃ? と思ったけど、まぁ正直な感想だったんだろう。
車は全損で廃車だったから。
セレナがワゴンR位の大きさになってたからね(笑)

「今救急車呼びましたから。」
トラックの運転手はオロオロしながら俺に話しかけてきた。
意識があるかを確認したんだろうな。

とにかく首が痛い・・・
こりゃあ動かない方がいいだろう。
シートを少しだけ倒し、俺はボーっとしていた。
国道の大きい交差点だったもんだから あれよあれよとヤジウマが集まってくる。 かなり恥ずかしいものがある。
「早く救急車来ないかなぁ」
この見せ物状態から早く脱したい。 そう思いながら首を動かさないように視線だけをヤジウマ達の方に向けた。
午後10時過ぎ・・・  この時間だというのに4車線ある国道の両側の歩道には2、30人もの人だかりができていた。

「みんな、暇人だなぁ」
そう思いながらヤジウマ達を眺めていると、その中に一人、ビシッとスーツを決めた男が立っていた。
職業柄 この状態の中でもそんなところに目が行ってしまう。

「カッコイイスーツ着てるなぁ・・」
なんて思いながら どんな顔の人が着こなしているんだろうと思い 少しだけ視線を上げた・・

「えっ?」

ボーっとした頭で状況整理が出来なかった。
どういう事だ・・・

ヤジウマ達の中から潰れた俺の車を見ているスーツ姿の男って・・・  俺なんだよ。
似てる人とか、そんなんじゃない。
明らかに俺が、ヤジウマ達の中から俺の事故現場を見ているんだ。
騒然とした中で もう一人の俺は微動だにせずジッとこっちを見ている。

やがて救急車がやって来て 俺は救急隊員に 「どこが痛いですか?」だの何だのと聞かれたあと 救急車に乗せられた。
愛車から降り救急車に向かう時 俺は もういちど もう一人の俺に目をやった。

やっぱりピクリとも動かずに立っている。
ただ、さっきと違うのは 俺の方を見ていない事だ。

もう一人の俺は 俺の愛車を見ているようだ・・


そして救急車に乗せられた。
もう一人の俺と愛車を残し、俺は病院に運ばれた。

それ以来 俺は 俺とは会っていない・・・・




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