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スペースコロニーのぼくら(仮)のことや、日々思ったことや興味のあることを書き綴っていきます。

 多くのスペースコロニーにおいて、宇宙港のある中心部分から居住区のある地表(?)へ降りて行くのにエレベーターを使う表現がとても多く見られます。
降りて行く間にスペースコロニー内を見下ろしてその絶景ぶりに驚く主人公達という表現はもはや定番といえます。

 多分ほとんどの人はなんの違和感も無くこの表現を受け入れていたと思います。
私もそうでした。



 拙作「スペースコロニーのぼくら(仮)」を書くに当たりスペースコロニー関連を情報を知るうちに、そんな表現はあり得ないことに気がつきました。
というか、あんな表現のままに動いたら自殺行為そのもの。


 分かりやすい例としてガンダムでも取り入れられているオニールシリンダー方スペースコロニーの場合、半径が約3キロ、つまり直径が6キロあります。
 これで地球の80%の重力に相当する遠心力を生む場合、約120秒で1回、100%の重力に相当させる場合は約110秒に1回の割合で自転させる必要があります。


さあ、計算してみましょう。


 スペースコロニーの円周の長さを1回自転するのに要する秒数で割れば、秒間何メートル動いて回転しているかがわかります。


地球の80%の重力相当だと、18,840÷120=157m
100%相当だと18840÷110=171.272727約171m。


これは「秒速」であることに気がついているでしょうか?
時速に直してみましょう。
それぞれに1時間の秒数である3600を掛けてKmに当たる1000で割れば時速になります。


すると


地球の重力の
80%相当だと、時速565.2Km
100%相当だと、時速615.6Km


 エレベーターで降りるということは、こんな高速で動いている地表へダイブすることを意味するわけです!



 エスカレーターに乗る時でさえ、タイミングを見計らうのにこんな高速で動くものに乗れるわけがありません。


 じゃ仮に、エレベーターで降りることができるとしたらどんな状況なのか?
それも計算してみました。


結論


 直径4m以下であれば110秒に1回の回転でも毎秒10センチしか動かないのでまぁエスカレーターに近いノリで乗れると思われます。


 この場合、エレベーターの設置箇所は回転の中心部分に限定されます。


 地表付近に固定された部分からスペースコロニー中心部へ向かってエレベーターが伸びていき、スペースコロニーの中心部分の周りをゆっくり円を描いて囲む様に動く形になります。


 ただし、中心部分で最大で直径4mなので大きめのエレベーター一つ程度のスペースしか得られませんので、多数の人々が乗降するのであれば複数箇所にエレベーターを設置する必要があります。
位置的にはスペースコロニーの自転軸上に沿って自転軸方向と水平に複数配置することになります。
ぱっと見は魚の骨の様にも見えるかもしれません。



 しかし、既存のどの作品もエレベーターについては地球上のエレベーターと同じく乗り込む時はスペースコロニー中心部側が「固定」された表現になっているので、降りる時は高速で動く地表に飛び降りる、という結果になるはずなのです。


 仮に乗る時も降りる時も「固定」の状態にするとしたら、宇宙港部分をスペースコロニーと一緒に自転する様に一体化させる必要があります。
 そうすると、航宙船が宇宙港に着陸する時には位置と速度だけ調整すれば着地できていたのに、今度はスペースコロニーの自転に合わせて自転軸を合わせて航宙船を周回する様に横へ移動させつつ、更に水平を保つ為に機体も回転させるという操作が加わる為、一気に着陸の難易度が上がってしまいます。

 これでは操作が複雑になる分、事故が起きる可能性が高くなりますし、また移動と姿勢制御に必要な燃料もはるかに多くなる為コスト的にも好ましくありません。


 拙作「スペースコロニーのぼくら(仮)」のストーリーの一つ 「居住区へ降りるのに命がけの移動なんかしない(ノベルアッププラス 限定)」ではこの問題の解決策の一つとして、地表との行き来のための乗り物を用意し、地表との相対速度差を0にする様にゆっくり加速していく方法を提案しています。

 この方法だとタクシーにのる感覚で利用出来るので、老若男女を問わず安全に地表に降りることができますし、1箇所につき一基しか設置できないエレベーターと違い、大きさも様々なものを用意してタクシー乗り場の様な感じで次々と乗り込めるので回転率も高く、コスト回収率も高くなると考えられます。


 いかがでしょうか?
もしご自身がスペースコロニーで生活しているとしてどの方法がいいか考えながら、スペースコロニーが登場する各作品を見直してみると、また違った面白さがあるかもしれませんよ?







 スペースコロニーには人や物資を運ぶ為に航宙船が離発着する為の場所が必要となる訳だが、多くのフィクション作品ではスペースコロニーの中心部付近の非自転区域に開口部が設けられ、航宙船が出入りする光景がよく描かれています。

 
 
 航宙船が着陸する時のプロセスとしては減速してスラスタを噴かせながら港内へ侵入し、所定の場所へ着くと再度スラスタを噴かして停止、港内の固定用のアームが伸びて船体を固定して着陸完了という流れです。
 
 
 現在ISSなどに連絡船がドッキングする時も似た様な流れになっているわけだが、航宙船による往来が当たり前になり、交通事故レベルでデブリによる事故が起きる様な世界になった時、この様なプロセスがそのまま続くのでしょうか?
 
 
 
 答えは否
 
 
 
 
 ISSへの連絡船のドッキングについては一隻の連絡船の為だけに全てのリソースを集中することができます。
 それに対して多数の航宙船が常に離発着を日々繰り返す中で、その全てに対して同じやり方をしていたら到底捌き切れないでしょう。
 
 
 また様々な場所へ日々往来する以上燃料費もかなりの額になる事は容易に想像がつくので、燃料費を抑える為にスラスタの多用を避けつつ、安全に着陸する仕組みが必要となります。
 
 
 加えて既存のフィクション作品の様にスペースコロニー中心部に直接開口部を設けて港とするのはデブリ対策や航宙船が減速に失敗して飛び込んで来たりといった問題があるので実際には異なる方式が主流になると想定されます。
 
 
 
 これらの問題についての解決策として従来とは異なる港の仕組みを考えたので、その内『スペースコロニーのぼくら(仮)』の中で紹介する予定です。
 
 

ぶったまげた!



世界人口の一万倍って、予想の斜め上行き過ぎて想像がつかない!



 ガンダムの世界どころの話じゃ無い、地球から人類がいなくなるレベルの壮大な発想は凄すぎる!!



 これまで考えていたのはあくまでも一基のスペースコロニーについて、というのが基本だったけどこのリンク先の記事ではオニールシリンダー的なスペースコロニーを無数に集めてそれらをまとめて運用すると言うものらしい。
 その発想はなかったなぁ・・・・・。



 群れの中の一基当たり5万人前後の収容を基本としているそうなので、それぞれが日本のちょっとした「市」に相当する感じかな。
 それが無数に集まっていて、それらを覆える規模の巨大なミラーで太陽光を反射させるという。



 壮大過ぎてさすがにそなまんま実現は無理だろうけど、ラグランジュポイント以外にスペースコロニーを設置する候補が増えたのは嬉しい話。

 かつてはただの空想だったスペースコロニーが、様々な人達によって本当に登場し得る存在となってきたことに興奮が収まらない。



 拙作の『スペースコロニーのぼくら(仮)』のエピソードが現実になるのはいつなんだろ?
ワクワクしながら執筆中。

🐢亀更新ですみません・・・






 スペースコロニーの遠心力を生み出すために筐体を回転させるという行為は巨大な構造物にとって大きな負荷になるというのは想像に難くありません。

 
  その負荷に耐える為に極太の柱を伸ばすと言うのはコスト的に非現実的だと思うので、比較的細いものになると思われます。
 
 数十億トンをはるかに超える巨大な構造物の回転を加速・減速するたびに生じる負荷によって、おそらく四方八方に伸びる柱だけでは簡単にへし折れてしまうんじゃないかと思います。
 
 
イメージとしてはこんな感じ
 
そこで自転車のタイヤを支えるスポークとリムをベースにスペースコロニーの回転をさせるための構造を考えてみました。
 
 
 
 

 
 図の灰色の八方向へ伸びる柱で回転部分と接続
薄い青のカーブしたフレームで回転する力を無駄なく回転部分へ伝える。
緑色の部分は減速時などにかかる反動からくる負荷を支える。
 
 この構造なら、八方向へ伸びる柱をしっかりと支えながら無駄なく回転させることができるんじゃないかと思います。

 スペースコロニーの形として、機動戦士ガンダムで有名になったオニールシリンダー型を始めとして、バナール球型、スタンフォードトーラス型、大林組が発表したスペースナッツII型な度色々な形状が提唱されてきた。

 

 私が書いている作品の「スペースコロニーのぼくら(仮)」ではスタンフォードトーラスをベースとしているものがメインなんだけど、それ以外のデザインっていうのは無理なのかな、と思い色々考えてみた結果、図の様なデザインを考えた。

 

 

 

 緑色の部分が居住区。

一般的なスペースコロニーでは構造的に円状で繋がっているものを、8分割し、その間を取り払う。

次に一つ一つの居住区の幅(回転方向の辺の長さ)を小さくし、その分縦方向へ大きくする。

 

 

 こうして放射状に間を開けて8つの居住区を設け、スペースコロニーの中心部から縦方向で反対側へも同じ構造を設ける。

 

 回転時に各居住区が横方向へブレて壊れないよう、間をフレームで連結して互いの相対位置を固定する。

 

 

 

 

 このデザインにした理由は、スペースコロニーの自転方向に対して移動するとその速さによって移動体に働く遠心力が増減するという現象の影響を少しでも少なくする為だ。

とはいっても別にこういう構造にしたからそういう影響が0になるということではない。

 

 

 

 参考にしたのは、『遠心力に由来する疑似重力発生システム内での物体の運動について 初出:1993年 東邦大学 物理科学研究会 会報『第32回東邦祭』という記事。

 

 ガンダムに登場するオニールシリンダー型のスペースコロニーで時速50キロで回転方向へ移動すると、遠心力が1.24倍になる計算だという。

逆方向だと0.78倍。

 

 体重60kgの人の場合に置き換えると、回転方向へ移動時は74.4kg、逆方向だと46.8kgと30.6kgもの振り幅で体重が変化することになる。

もっとも人間が時速50kmで走れるわけでは無いのでかなり極端な例だけど、しかしこの様に移動体に生じる遠心力に変化があるのは出来るだけ避けたいことには違いない。

 

 

 

 最初は速度制御とかでなんかいい方法ないか考えてみたけど、そんな方法あれば大学の先生方がとっくに発表しているだろうし、私の知識の乏しい身でいくら考えても思いつかなかったのでやめた。

 

 

で、考え方を変えてみた。

要は回転方向へ高速で移動しなければ影響を小さく出来るわけだ。

 

どのサイトだったか忘れたけど、ガンダムの作中でアムロ達が移動するために乗っていたバイクなどが非常に低速で移動する様に描かれているのはそういった速度による遠心力の変化を最小限に抑える為だという説明があった。

それだ。

 

 

でも人間、早く移動できるに越したことはないわけで、特に移動距離が長いとその思いが強くなる。

 

じゃそんな急ごうと思わない様にすればいい

 

つまり、そんな急がなくても移動できる距離、徒歩で行ける距離に抑えればいい。

というわけで、図のように横幅を極端に小さくして、その分縦に長くするデザインを考えた。

 

 

 

横幅については3Kmくらいを想定している。

時速4Kmで歩く一般的な早さなら40分ほどで着ける距離で、時速30Kmだと6分ほどで着くし、時速20Kmでも10分かからない程度だ。

 

多分この程度でつけるなら、よほど切羽詰まった状況かせっかちな人でない限りそれほど気にしないんじゃないだろうか。

 

対して回転方向とは垂直の縦方向は遠心力には影響しないので、長くした分移動速を早くしても問題ない。

 

同時に居住区の位置を回転中心部から遠く離すことで回転半径を広げ、更に同じ問題の影響の低減を図る。

 

 

 

遠目には間がスカスカで見栄えはそれほど良くないけど、回転方向に対する移動による影響を最小限に抑えるという意味では少なからず役に立つのではないかなと思うんだけど、どうでしょう?教えて、そこのエロい人。