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スペースコロニーのぼくら(仮)のことや、日々思ったことや興味のあることを書き綴っていきます。

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 スペースコロニーは自転することで遠心力を生み出し重力の代わりにする。

よく知られた話だが、スペースコロニーが自転すると言うことは、そこに何も問題は起きないのか?

素人考察2回目。

 

 

 コリオリの力で投げたものがズレるとか、自転方向に対して逆方向に進むとその速度に比例して遠心力が弱まっていくなどは既に話題になっているので知っている人も多いと思うのでそれ以外の点を考えてみることにする。

 

前回スペースコロニーそのものが全体的に自転することについて書いたので、今回は回転する部分としない部分に別れた構造を前提として考えてみる。

ぶっちゃけこっちが本命ではある。

 

 

この場合、まず大事なのは回転しない固定部分をいくつ、どこに配置するかが重要になる。

 

 

【固定 一箇所】

 

1:根本部分に固定

 

 

 

 

 

2:真ん中を固定

 

 

 

 

3:先端を固定

 

 

 

1番はかなりオーソドックスなので違和感がない。

2番3番はあまり見ないパターン

特に3番は先端部分から逆位置で回すので質量バランス的によくない。

 

 

【固定 複数箇所】

 

4:根本と先端を固定するパターン

 

 

5:根本と先端だけでなく、中間も含めて複数箇所を固定するパターン。

 

 

 歳差対策や自転させる際の動力部への負荷も考えると、こちらの複数箇所で固定する方法が現実的だと思う。

4番の様に両側を固定し、その間に自転する部分を設けることで両端で保持できるので歳差も起きにくくできるし、万が一歳差が生じてもどちらかの端の部分でズレを調整する機構を設けることで補正できる。

 

 また現実的な目線で考えた場合、災害や事故が起き時に一つながりの形状だとあっという間に全滅になりかねないので、5の様に中間にも固定部分を設けて自転部分を複数に分割して冗長性を保つのがベストだと思う。

 

 

そんなこと考えて一例としてイメージしたのがこちら。

 

まだモデリング途中なので、太陽光の反射パネルも無いけど、自転区域を3つに区切り、根本、中間二箇所、そして先端の四箇所を固定部分としてみた。

 

各固定部分は間をフレームで繋いでその間に自転部分が位置する。

この方法の場合、ここに自転する居住コロニー部分が3つ連結するので一つあたりの長さが短い分同じ角度でズレたとしても歳差が小さくはなるし、また固定部分に対してそれぞれが独立する形になるので、どれか一つがズレたとしてもその一つだけを修正すればいいということになる。

 

ちなみにコロニーの角度のズレで歳差がどの程度起きるのか、縦長のオニールシリンダー型と、横長のリング型それぞれで表現した動画を用意したので参考までに。

 

 

 
 
 

歳差が起きると、どうなるのか。

簡単な実験は、コップに小さいお菓子や氷などを入れてグルグル回せばいい。

最初散らばっていた氷はどうなっただろうか?

そのコップがスペースコロニー、中のお菓子や氷が人間と考えれば想像がつくと思う。

 

 

スペースコロニーを実現する場合、歳差をいかに制御するかそれをクリアしないと安定した遠心力という擬似重力を得られないので、中に人が住む以前の問題になる。

回転軸を中心に、回転軸の延長線上のどこにおいても360度全ての方向にズレがなく均等に回転する事。

このズレを如何に小さくするか。

 

次回はその辺について考えてみたい。

 スペースコロニーは、重力の代わりに遠心力を使う。

その為に自転する。

もはや日本人にとっては常識とも言えるこの話、考えれば考えるほどちょっと待てよ?となってくる。

 

 いつも自転の一言で分かった気でいたけど、そもそもスペースコロニーを自転させるってどういうこと?

どういうやり方で?

回転させるだけってなら小学生にも思いつくけどそれには何も問題おきないの?

んんん?

 

 

というわけでこれまでも自転について話題にはしてきたけど、今一度見直してみようと思う。

 

まず、おさらい。

 

 

 wikiによれば、オニール博士が想定していたオニールシリンダー型スペースコロニーは、直径約6Km(半径約3Km)、全長約30Km。

114秒で一回転することで地球の重力である1Gに近い遠心力を生み出す。

 

ここまでは言われるまでも無く知っていると思う。

 

 

 では、スペースコロニーはどこが自転しているのだろう?

スペースコロニー全て?特定の部分だけ?それとも回転するところとしていないところが複数ある?

 

 まずここが決まらないと話にならないので、そこを考えてみる。

 

 

 

 

 スペースコロニー全体が回転する場合。

スペースコロニー全体なので何もかもが回転してるから一番シンプルでわかりやすい。

既存の作品の中にはこういうタイプのスペースコロニーもけっこうある。

 

 この場合の問題は、まず回転させる為の方法になる。

モーターみたいなもので回すと言うのは固定された部分が無いといけないのでスペースコロニーそのものが全体的に回転する場合は使えない。

代わりにスラスタを噴かす方法になると思う。

回転する花火と同じく、輪のこちら側とあちら側にスラスタを付けて互いに反対方向へ噴射すれば周り始める。

そこまではいいと思う。

 

 しかし、何十億トンもの質量の物体を回転させるにはただでさえ時間がかかる上、必要な遠心力を生み出す程度の自転速度(角速度)を保たなければいけない。

人や物が増えたり減ったりするとそれによってスペースコロニーの質量も増えたり減ったりするので、それに合わせて自転速度も上がったり下がったりを繰り返すので、結果遠心力も大きくなったり小さくなったりを繰り返すことになる。

それをこまめに1Gに限りなく近くなる様、調整し続けなくてはいけない。

噴射という方法でそこまで微細な制御が可能なのだろうか?

 

 

 確認のためBlenderというソフトで検証してみた。

上図の様に全長30Km、つまり30,000mという長さは、たったの1度角度が狂うだけでスペースコロニーの両端と本来の自転軸の中心との間が524mもズレてしまう。

100分の1度単位で制御できたとして単純計算でようやく5.24mのズレだ。

そして全てのスラスタが全く均一の出力で同時に正確に噴射出来ないと変な角度になったりスペースコロニー自体の位置がズレていったりしまう。

 

 既存の宇宙船や自転しないISSなどは規模も小さいのでよほど極端じゃなければ問題ないかもしれないが、スペースコロニーの様な巨大な構造物を回転させる場合には、わずかなズレが大きな問題を引き起こしてしまう。

先ほどの1度の傾きで回転軸とスペースコロニーの端の部分が524mもズレると記載したが、その様なズレを歳差と呼ぶらしい。

スペースコロニーで求められる遠心力というのは、回転軸を中心に360度全ての方向に均一に遠心力が働くことではじめて得られる。

しかし歳差が生じるとどうなるのか。

 

 わかりやすいのは縦型の洗濯機だろう。

洗濯を入れる円筒形の部分を押すと分かる様に、グラングラン動く様になっている。

それにより水や洗濯物の重みで意図的に歳差を作り出した状態で回転させ、中のものをかき回しているわけだ。

そして歳差の起きたスペースコロニーでも同じ様なことが起きる。

 

YouTubeの検証動画

 

 スペースコロニーの角回転速度は毎分約0.545455度ほどだが、半径3Kmあるので人が住む円周部の回転速度を接線速度で時速に直すと600km近くになる。

こんな速さでスペースコロニーの中でかき回されて周りのものニ叩きつけられるわけだから、人間なんてあっというまにミンチになってしまう。

 

 

 他に考えられることとしては、航宙船が宇宙港へ入る時の操船の困難さとそれに共なう燃料費だろう。

スペースコロニー全体が回転するということは、宇宙港の入り口も回転していることになる。

従って航宙船もその回転に合わせて自転しながら角度を合わせつつ入港するかたちになる。

こう言えば簡単な様に聞こえるかもしれないが、これは宇宙港の入り口がスペースコロニーの回転軸上にあり、その中央に入るということを前提としている。

 

 

 つまり宇宙港の入り口が真円、または正方形など回転させた時にその角が綺麗な一つの円を描く様な作りの時限定である。

 上の図だと、入口の高さを直径として回転させた範囲内であれば航宙船を、自転させながら着艦てきる。

そしてその回転の中央に着艦するということは1度に一隻しか入れないことになる。

 

 次に入口を横に広げて2隻入れる様にしたとしよう。

上の図だと入口の右側、または左側へ入る状況になる。

 

 

その時点でその2隻は入口の中央ではなく、その右が左に着艦することになる。

お気づきだろうか?

スペースコロニーの自転に伴い着艦すべき位置が常に変化していくことに。

着艦する航宙船は、入口のその変化に合わせて位置を常に調整し続けなくてはならい。

上の図だと入口の壁面がスペースコロニーの自転によって描く円が緑色の円だ。

その円内に航宙船が収まる様位置を調整、つまりスペースコロニーの回転軸を中心として航宙船を公転させなくてはならないということである。

そしてなおかつ、常に入口の着艦面に対して船の底部が正しく向く様船の自転も制御し続ける。

その状態で更に侵入角を調整し、相対速度をコントロールしてそれでようやく着艦できることになる。

考えただけで気が狂いそうだが、現役のパイロットなら苦もなくやってしまうのか一度聞いてみたい。

こんな状態だと姿勢制御のために頻繁にスラスタを噴かす為に燃料費もバカにならない。

 

 

 

 以上のことからスペースコロニー全体が自転するという方法は現実的ではないというのが、私の結論になる。

 

となると、必然的に次に考えられるのはどこかを固定してその他を回転させる方法になる。

というかこの方法こそが本命であり、拙作のスペースコロニーもこのスタイルが基本となっている。

次回はこの方式について書いてみたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 スペースコロニーは基本、人が住むことを前提としていることが多い。

その為、少しでも地球に近い環境にするため遠心力で擬似重力を作るというのは言うまでもない。

しかし人が住むとなると話はそれだけでは終わらない。

水や空気の循環と浄化を始めとして色々と考えなくてはいけない問題が山積している。

 

 ガンダムで有名なオニールシリンダー型スペースコロニーでは円筒形の内部を6分割し、ひとつおきに地上部分、採光窓を配置する形を取っている。

 

 

 

 

 

採光窓の外には巨大なリフレクターがあり、太陽光を内部へ反射し、その反射具合の調整で昼と夜を再現しているという。

 この構造により円筒形の内部を長辺方向に細長い「陸地」が続く、テレビなどでお馴染みの光景が広がる。

 

下の画像はwikiより引用。

 

 

 

 

 日本人にとってスペースコロニーといえばまずこれが思い浮かぶわけだが、私はスペースコロニーについて考え始めてから、次第にこのオニールシリンダー型についてはロマン溢れるスペースコロニーで大好きではあるが、もし現実に作るとすると非常に問題が多くなり現実的ではないと考えるようになった。

別に、あちこちで指摘されている膨大な量の資材が必要だとか時間や資金や労力が必要だとかそういう話ではない。

 

 その問題のうちいくつかはスペースコロニーのぼくら(仮)の中で書いてあるので興味があれば読んでみてほしい。

 

 

 

 前置きが長くなった。

今回は居住区の作りについて、全ての居住区が一つの円筒内に存在するオニールシリンダー型は、災害や事故、テロなどが起きた場合、あっという間に中にいる人が全滅する可能性が高くなる点に注目してみた。

この事は方々で指摘はされていたが、明確に対応策に言及したものを見つけることができなかった。


 そこで、スペースコロニーのぼくら(仮)内ではスタンフォード・トーラス型をベースに、複数の居住区を独立して分ける方法をメインに考え始めた。下の図の輪環部の周辺に間隔を空けて顔を出している板状の物が居住区である。

 

 



 この様に間隔を空けて設置し、それぞれに独立して水や空気を浄化・循環する施設を置く。

一つ一つが独立しているので、どれか一つに問題が起きたとしても他の居住区に影響は出にくい環境となる。

各居住区の水や空気の浄化・循環装置などは、万が一の時には隣の分もカバーできるよう余裕を持った性能を持たせたい。

 

 

居住区の構想のため簡単な図を作ってみた。

 

見ての通り円環部を挟んで上下に一つずつ、合計2つの居住区があり、間をトンネルで結んで自由に行き来ができる様になっている。

トンネルは万が一を考えて5つ配置してみた。

円環部のフレームと接続するための接合核ユニットには、宇宙港のある中央ブロックや他の居住区へ移動するための公共交通に乗るための場所も内蔵する。

 

 今のところ一つの居住区は縦3Kmほど、横1.2、3Kmくらいを想定している。

これは徒歩でも問題なく移動できる範囲を基準として考えた結果。

 

 居住区の表面には公園や病院、学校などの公共性の高い施設を設置し、人が住むのはその下の階層を想定している。

イメージとしてはマンションの様な感じだろうか。


 あまり見た目はカッコいいとは言えないが(資材を増やして各部をカバーで覆って見た目を良くする事はできるかもしれない)、ひとまず何かのトラブルで全住民が1度に全滅する可能性は低くなると思う。

 

 日本人なら誰もがその名を知っている、ロボットアニメの名作の一つ、富野監督の機動戦士ガンダム。

私も子供の頃再放送でファンになって以来今日に至るまで、ガンダムと名の付くものは気になってしょうがないほど虜である。

そのガンダムの初代、通称1stガンダムは主人公であるアムロが暮らすスペースコロニーさいど7から、始まった。

あの円筒形のスペースコロニーである。

以降、日本でスペースコロニーといえばほぼ無条件で出てくる定番となって久しい。

 

 そのスペースコロニーだが、ジェラルド・K・オニール博士が提案した複数あるスペースコロニーの形状の中で、島3号と呼ばれるものだそうだ。

 

参照元:Wiki

 

 

 

 さて、複数ある形状の中で富野監督はなぜこの円筒形を選んだのだろう?

ふと、そういう疑問が湧いた。

早速ググってみたが、調べ方が悪いのか明確な答えが見つからなかった・・・

なので勝手な想像をしてみた。

 

 多分、アニメ的な演出と描く手間を考えた結果じゃないかと思う。

簡単な模式図として以下の三つを見比べてほしい。

 

 

 

 

遠近感を出しやすくて迫力を出しやすいのは明らかに3番目の円筒形だ。

他の二つ、特に最初の球形は遠近感って何?って言いたくなるほど感じられない。

2番目の輪は遠近感を感じなくはないけどそれほど迫力を感じないのではないだろうか。

演出的に巨大な建造物であるという印象を視聴者に与えるには迫力ある遠近感が必要という演出的な面で、円筒形が一番であることはすぐわかると思う。

 

 

 

 次に描く手間について

ここでは円筒形と輪をとりあげてみる。

球形は先ほどの話で迫力ある絵が難しいので除外しておくことにする。

 

下の二つの図を見比べてほしい。

分かりやすく、緑とオレンジで線を入れてみた。

 

 

 

 

輪はその形状を描くために綺麗な楕円を二つ描く必要がある。

しかも遠近感を出せるようにパースをつけながら。

これがグリーンの線だ。

これが結構難しい。

 

そしてその丸い形状を感じさせるための線。

図ではオレンジの線

これはふくらみに沿って入れるわけだけど遠近感に合わせて微妙にカーブを変えながら、縦と横それぞれに入れないといけない。

これらのバランスがきちんと調和をとって描かれていないといけない。

しかもアニメなので1枚じゃなくて一秒に十何枚も変化させながらそれを描かないといけないので、とても大変なことになる。

 

しかし円筒形の場合、パースはまっすぐ2本の線を引くだけで済む。

これだけなら素人にもできなくはない作業だ。

あとは丸みを表現するための縦の線だけ気をつければいい。

 

というわけで描く手間を見ても圧倒的に円筒形が有利である。

 

 

 と、多分だけど、こういう観点から富野監督は円筒形のスペースコロニーをガンダムの世界の標準に据えたんじゃないかなぁ、と勝手ながら強く思った次第です。

 

 

皆さんはどう思いますか?