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仕事後に早足で銭湯へ駆け込む。
身支度整え手土産「堂島ロール」片手に青物横丁へ。
恭子(彼女)と落ち合い駅前のミスドで息を整える。
緊張で笑いが止まらない。
PM7時
玄関をくぐる。
初めてお会いする恭子のお父さん。
三回目となる恭子のお母さん。
席へ通されすぐに食事を進められる。
ご両親共に明るい方で良かった。
昔していた商売の話や恭子の幼少時の話、土地の話、ご両親の若い頃の話題まで話してくれた。
笑いを絡め終始笑顔が絶えない時間だった。
デザートのケーキを食べ終わった頃、小さな沈黙の後に恭子のお父さんが切り出す。
「恭子、お腹の子供は何ヶ月になった?」
とうとうきた。
「まだ一ヶ月ちょっとだから、心臓すらできてないよ。」
今日の本当の目的となる話題へ移っていく。
大きく高鳴る鼓動を抑えられないまま口を開く。
「初対面となる今日の席で妊娠の報告をする事になってしまい…本当に申し訳ありません。すいませんでした!」
ご両親の心境を考えると、やはりまずは謝りたかった。
今後は恭子とお腹の子供を第一に優先し、結婚出産へ向けて進んでいく旨を伝えた。
大きな優しい笑顔でうなずき、恭子を幸せにしてくれるなら
二人で好きな様に生きていきなさいと受け入れてくれた。
夫婦仲良く連れ添ってきた二人の「コツ」まで聞かせてもらえた。
どうしても伝えたかった事も話せた。
「ご両親には本当に申し訳ない事なんですが。
妊娠がわかった時、中絶なんて発想は一切出ませんでした。
とても嬉しくて二人で泣きながら喜んだ位なんです。
一緒に力を合わせて生きていこう、育てていこうと二人で話し合いました。」
見切り発車で何の準備も整ってない事も伝えたが、それも含めて「頑張りなさい」と受け入れてくれた。
またすぐお邪魔しますと大きく頭を下げ、感謝を伝えて恭子の実家を後にした。
頑張ったね~と恭子に褒められながら電車にゆられた。
駅で「お腹にあかちゃんがいます」キーホルダーをもらってすぐに恭子のカバンに付けた。
やはり緊張していたんだな…胃が痛くなった。
二人だけの約束が一歩前進できた。
家に着いて幸せが溢れて止まらなかった。
恭子を力一杯抱き締めた。
お腹を締め付けない様に気を付けながら。