子どもの足が臭う原因 親にできること・やってはいけないこと 小児科医に聞いた
6/1(月) 10:33配信
Hint-Pot

外での運動など、子どもが活発に動く時期(写真はイメージ)【写真:写真AC】
気温が上がり、汗ばむ日も増えてきました。部活動や外遊びなどでたくさん汗をかいたあと、玄関で靴を脱いだ我が子の足の臭いに「えっ……」と驚いた経験がある人もいるかもしれません。実は、子どもの足が強い臭いを放つのには、子どもならではの理由が関係しているといいます。体臭は非常にデリケートな問題だからこそ、親として慎重に対応したい問題です。今回は、子どもの足が臭う医学的な原因と、親がどこまで関与すべきか、そして子どもの心を傷つけない正しい接し方について、たけうちファミリークリニック院長の竹内雄毅先生に教えていただきます。
【写真】子どもの足の臭いが気になったとき親ができるサポートの写真
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なぜ大人以上に臭い? 子どもの足の裏で起きていること
子どもの足が臭う主な原因は、「汗」「角質」「雑菌」の3つが合わさることです。
足の裏には「エクリン腺」という汗を出す器官が密集しており、1日にコップ1杯分もの汗をかくといわれています。この汗自体は本来無臭ですが、足の裏の古い角質や皮脂と混ざり合い、それを皮膚の表面にいる雑菌(常在菌)が分解することで、独特の嫌な臭いが発生します。
基本的な臭いの発生メカニズムは、大人も子どもも同じです。しかし、大人の場合はストレスによる発汗や、加齢に伴う臭いなどが混ざることがあるのに対し、子どもの場合は純粋に「活発な代謝による大量の汗と蒸れ」、それに伴う「雑菌の繁殖」が主な原因です。そのため、臭いの質としては、いわゆる酸っぱい臭いや納豆のような臭いが強くなる傾向があります。
大人以上に臭いが発生しやすい理由として、子どもは大人に比べて新陳代謝が非常に活発で、汗をかきやすいことが挙げられます。さらに、足のサイズが小さいにもかかわらず、汗腺の数は大人とほぼ同じです。つまり、小さな面積に汗腺が密集しているため、局所的に非常に蒸れやすい環境にあるといえます。また、日中ずっと靴を履いて元気に動き回るため、靴の中が高温多湿になり、雑菌が繁殖しやすい絶好の条件がそろってしまっているのです。
汗をかきやすい体質(多汗症の傾向など)は、遺伝的な要素が関係することがあります。親御さんが汗っかきであれば、お子さんも汗をかきやすく、結果として足が臭いやすくなる可能性はあります。ただし、足の臭いそのものが直接遺伝するわけではなく、あくまで「汗のかきやすさ」という体質的なベースが関係していると考えてください。
いじめやからかいのリスク…親はどこまで関与すべき?
体臭は非常にデリケートな問題であり、学校生活においていじめやからかい、対人関係のトラブルの原因になることもあります。我が子がそんな目に遭わないよう、なんとかしてあげたいと思うのが親心ですよね。
一方で、小学生~中学生という時期は、自立心を育む大切な時期です。そのため、親御さんがすべてをやってあげるのではなく、「正しいケアの方法を教え、環境を整えてあげる」ことが衛生管理として必要な範囲です。
具体的には、以下のようなサポートが挙げられます。
・正しい足の洗い方を教える
・毎日清潔な靴下を用意する
・靴を複数足用意してローテーションできるようにする
・靴の洗い方や干し方を一緒に実践する
逆に、過干渉になり得るラインは、親が子どもの足を直接洗ってあげたり、本人が気にしていないのに「臭いから洗いなさい!」と頭ごなしに何度も指摘したりすることです。とくに中学生にもなると、プライバシーの意識も高まります。無理に介入するのではなく、子どもが自分で気づき、自分でケアできるようにサポートする姿勢が大切です。
無頓着な子どもにどう伝える? 自尊心を傷つけるNGな接し方
子どもが自分の臭いに無頓着な場合、まずは「足の臭いは誰にでも起こる」ことを前提として伝えてください。「元気に遊んだ証拠だね」と肯定的な言葉をかけつつ「でも、そのままにしておくとばい菌が増えちゃうから、しっかり洗おうね」と、衛生面からの理由を冷静に伝えるのが望ましいです。
逆に、絶対にやってはいけないのは、人格を否定するような言い方や、他人の前でからかうことです。「本当に臭い!」「不潔だ」といった強い言葉を使ったり、きょうだいや友達の前で「この子、足が臭くて」と笑い話にしたりするのは、子どもの自尊心を深く傷つけます。家庭内であっても、子どものプライバシーと尊厳を守る配慮が必要です。
子どもの足の臭いは、子どもが毎日元気に活動し、成長している証拠でもあります。決して「不潔だから」と自分たちを責めたり、恥ずかしがったりする必要はありません。親が正しい知識を持ち、子どもと一緒に楽しみながら、ケアの習慣を身につけていくことが大切です。
Hint-Pot編集部