12月米製造業景況感、9カ月ぶり高水準 新規受注が好調
海外
2025年1月4日 5:32

2024年12月の米製造業は改善した(米ミシガン州)=ロイター

【ニューヨーク=南泰葉】米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した2024年12月の米製造業景況感指数は49.3と前月から0.9ポイント上昇し、24年3月以来およそ9カ月ぶりの高水準となった。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(48.0)も上回った。好不況の分かれ目になる50は9カ月連続で下回ったものの、米製造業の活動には持ち直しの兆しがみられる。

同指数は24年1月以来およそ1年ぶりに2カ月連続の上昇を記録した。項目別では、新規受注を表す指数が52.5と2.1ポイント上昇した。調査対象の企業からは「新規受注の増加で工場がフル稼働状態になっている」(電気機器)との声が聞かれた。

企業の支払うコストを示す価格指数は52.5と2.2ポイント上昇した。ウェルズ・ファーゴ証券のエコノミスト、ティム・クインラン氏は「原材料価格の上昇が以前より緩やかになったとはいえ、価格自体はまだ高い水準にとどまっている」と指摘する。

雇用に関する指数は45.3と2.8ポイント低下した。調査を担ったティモシー・フィオレ氏は「製造業の人員削減は増加しており、25年末に向けてさらに多くの人員削減が見込まれる」と説明する。

米経済はサービス業が堅調さを保つ一方、製造業は低迷が続いてきた。トランプ次期米大統領は米国内の製造業の復活を掲げ、規制緩和や減税、輸入品への関税引き上げといった措置を講じる考えを示している。

米証券ジェフリーズの米国エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は「トランプ氏が就任後に(保護主義的な関税引き上げなどの)大統領令を出せば、製造業が好転し始めるだろう」とみる。

もっとも、業況見通しに慎重な声もある。PNCファイナンシャル・サービシズ・グループのシニア・エコノミスト、ジェイ・ホーキンス氏は「製造業は依然として高金利とドル高の影響を受けており、先行きは厳しい」と指摘する。