読めば怖くて寝られなくなる?「小泉八雲」が残した美しい物語

9/25(水) 19:10配信
読売新聞オンライン

小泉八雲の墓(東京都豊島区)

 あす26日は、「怪談」などで知られる明治期の作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の命日・八雲忌です。記者の心に刺さった投書を紹介する「ササる投書」、今回のテーマは「小泉八雲」です。(※投稿者の年齢や職業などは掲載当時。紙面では実名で掲載)
忘れられない「ろくろ首」

 小泉八雲の「怪談」が忘れられない。初めて読んだ時、しばらくの間、夜の睡眠を妨害されたからだ。

 特に怖かったのが「ろくろ首」。いくつもの首が体を離れて空中を飛び回り、その一つが僧侶の袖に食いついて離れなくなる。本の挿絵が恐ろしく、身震いした。

 ろくろ首というと、首がひゅるると伸びる美しい女性のお化けを思い浮かべるが、このろくろ首は、首が体から離れて相手に襲いかかるという、愛嬌(あいきょう)のかけらもない化け物だった。(28歳・主婦=岐阜県、2010年8月22日掲載)
小3に読み聞かせてみたところ…

 先日発表された読売新聞社の教育改革の提言の中に「良書に親しむ習慣をつけよう」とあり、うなずいている一人である。

 学習塾で個別指導をする仕事に携わっているが、イスに5分と座っていられずテキストも破り捨ててしまう小学3年生の担当になり頭を悩ませる日々が続いた。対処法にいろいろと迷った揚げ句、興味を示しそうな「小泉八雲」の作品を読み聞かせてみようと思い立った。

 終わりまで興味が続くかどうか心配していたが、この子はイスに腰を下ろしたまま、耳を傾けて聴き入ってくれた。そんなことをしているうちに、イスに座っている時間も次第に増え、学習に取り組もうという意欲も見えてきた。

 最近、ある中学生が私にベストセラーの本の名前を教えてくれた。その子の通う公立中学校では、これまで小テストを行っていた朝の時間を、本を読む時間に切り替えたそうだ。

 パソコン世代の子供たちだが、毎日15分間でも本に親しむ時間があれば1年のうちには数冊の本と出合える。私としては、読書することで他人の考えや思いを想像する力を培ってほしいと願ってやまない。(52歳・塾講師=兵庫県、2001年11月4日掲載)


担当記者から

 今夏、小泉八雲の怪談をモチーフにした演劇を見て、改めて怖くて不思議な世界観を楽しみました。落語家の柳家喬太郎師匠の「雉子政談」という話は、「雉子の話」と「策略」という二つの作品が題材となっていて、大好きな話です。怪談を読むのもよし、見るのもよし、聞くのもよし。秋の夜も怪談を楽しみたいです。(田渕)