福島第1原発、デブリ回収装置を格納容器外へ カメラ異常
経済
2024年9月19日 20:45
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2024年9月19日 20:45

東京電力の福島第1原発2号機(8月)=共同
東京電力ホールディングス(HD)は19日、福島第1原子力発電所2号機で溶融燃料(デブリ)の試験的取り出しに使う装置を、原子炉格納容器の外に戻すと発表した。映らなくなっているカメラの状況を確認する。原因がわかるまで取り出し作業は中断する。
気密性が高く放射性物質の飛散を防げる箱に取り出し装置を戻す。装置の線量が高いため、箱の中にある4つのカメラを通じて、遠隔で装置に取り付けたカメラに異常がないか調べる。
東電は10日、回収に使う装置が格納容器につながる貫通部手前の弁を通過したとして試験的取り出しが始まったと発表していた。14日には格納容器の底に垂らしたケーブルの先端の器具がデブリに触れていた。順調に作業が進めば、デブリをつかむ作業に進む予定だった。
しかし17日、装置の先端に取り付けたカメラ2台の映像が遠隔操作室のモニターに映らなくなり作業が中断した。東電はケーブルの接続や信号受信などを確認したが、原因は分かっていない。
取り出しに使う装置は、最大約22メートルまで伸びる釣りざお式になっている。長さ1.5メートルの押し込みパイプを5本つなげて装置を押し込む必要がある。装置を戻す際もパイプ5本の解体作業が必要となる。解体作業は4日ほどかかるという。
デブリ取り出しの作業は振り出しに戻ったとも言える。19日の記者会見で東電の担当者は取り出し作業の中断について問われ「我々としては単に立ち止まったという認識だ」と強調し、「取り出し作業は続けていく」と述べた。
今回映らなくなったカメラは爪状の器具がデブリをつかんだかどうかを確認するもので、映らなければ取り出しはできない。復旧に数カ月単位で時間がかかることになれば、廃炉の工程全体にも遅れが出る可能性がある。
試験的取り出しを巡っては、作業初日の8月22日にパイプの接続順序のミスが判明し、作業を中断した。東電はミスの原因究明や確認項目を増やすなどの対策を講じたうえで9月10日に作業を再開した。
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