NYダウ反発、203ドル高 経済の軟着陸期待が支え
海外
2024年7月31日 5:25

【NQNニューヨーク=矢内純一】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比203ドル40セント高の4万0743ドル33セント(速報値)で終えた。米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げを始め、米経済がソフトランディング(軟着陸)に向かうとの期待が株式相場の支えとなった。一方で、決算を発表した一部の銘柄に売りが出て、ダウ平均は小幅に下げる場面があった。

午前発表の7月の米消費者信頼感指数は100.3と6月改定値の97.8から改善し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(99.5)も上回った。米景気が底堅さを保っているとの見方につながった。6月の米雇用動態調査(JOLTS)では非農業部門の求人件数が818万4000件と、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(800万件)を上回った。ただ、市場の利下げ観測を変えるほどではないと受け止められた。

ダウ平均は下落に転じる場面があった。朝に発表した2024年4〜6月期決算で売上高が市場予想を下回ったプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が下落した。業績見通しを引き下げたメルクは10%あまり下げる場面があった。

FRBは31日午後に結果を公表する米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置く公算が大きい。次回9月の会合で利下げを始めるとの見方が根強く、市場にはパウエル議長の記者会見で政策見通しを探りたい雰囲気があった。週内発表のアップルなど大型ハイテク企業の決算の内容を見極めたい市場参加者も多い。一部のハイテク株には持ち高調整の売りが目立った。

ダウ平均の構成銘柄では、ダウやシェブロンが上昇した。ゴールドマン・サックスとマクドナルドも買われた。アナリストが目標株価を引き上げたトラベラーズも高かった。一方、インテルとマイクロソフトが下げた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比222.784ポイント安の1万7147.417(速報値)で終えた。エヌビディアやテスラが下落した。