「エネルギー1」「エネルギー2」 | ◎時空の螺旋◎ spatio-temporal-*HELIX*

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この世界の美しさ
自然の摂理の巧妙さ
命の営みの不思議さ

センス・オブ・ワンダーをアートで表現します。

(「雷と龍」のつづき)

 

 

 

いつの間にか龍も雷雲も去り

私は上空から海を見下ろしていた。

 

龍が円を描いていた跡には

紫色の円形模様が広がっていた。

 

よく見るとそれは、

細かい赤と青の線が入り混じり

紫色に見えていたのだった。

 

まるで、赤と青に色分した動脈と静脈を

張り巡らした毛細血管のようだった。

 

 

円は緩やかに形を変えていった。

完全に変化したとき、

毛細血管の先端がしずくのようになり

コーヒーにミルクが沈むように

ゆっくりと海底に落ちていった。

 

そして、海底に届いたとき、光を放った。

 

私に浮かんだのは「発火」という言葉。

 

 

海底のあちこちで

海ホタルのような光のしずくが

チカチカと発火した。

 

そして私は理解した。

 

これは、進化の発火だ。

 

眠っていた遺伝子が

雷のエネルギーで目を覚ます。

 

深海龍は海底に雷のエネルギーを行き渡らせ、

生命の進化をうながしたのだ。

 

初めて深海龍に会ったとき私はこう感じた。

 

「繰り返される生と死のサイクルや

生命の進化、それ自体もを高見から
見守りはぐくんでいる」
 
それを目の当たりにしたのだった。
 
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 
自分を超えた存在をすべて「神」とした
日本人の”八百万の神の精神”は
けっこう私、好きですよ。
 
きっとね、昔の人も、
嵐の中に荒ぶる龍の姿を見て
畏怖の念を抱いてさ、
「神」と崇め奉ったんでしょうよ。
 
龍のこんな激しい姿やスケールの大きな
役割を見てしまったら
気軽に龍神様ぁなんて呼んだり
金運アップとかお願いする気は失せます・・・
 
 
遺伝子のことをちょっと書いておきます。
興味ない方は飛ばしてね。
 
みなさんよく知る二重螺旋のDNAね、
あれはタンパク質の設計図です。
 
5’---ATTGCATTACACAT---3'
 
こんな感じで並んでいて、3つセットで
アミノ酸1つを表すんです。
で、いろんな種類のアミノ酸がくっついて
ある1つのタンパク質になる・・・わ、わかる?
 
言葉に置き換えてみましょう。
 
5’---あいつきょうなんかかいた---3'
 
あいつ 今日 何か 描いた
 
ほら、3つずつで単語になって
単語を組み合わせて文になって意味を成す。
 
こんな感じだと思ってください。
 
でね、DNAの中のちゃんと意味がある部分を
「遺伝子」と呼ぶんですけど、
ほとんどないの、2~3%ぐらい。
ほとんど支離滅裂の文章のなかに
たまに意味を見つけるようなものです。
 
あふきばねふこせおえもでどらえもんせいべみ
 
「どらえもん」
 
が遺伝子というわけ。
 
DNAのほとんどがほぼ無駄なの?
と私も最初びっくりしましたよ。
人体には一見効率の悪い
無駄っぽいしくみがたくさんあります。
あらかじめめっちゃ細胞作っておいて
ほんの一部しか使わない、みたいな。
 
なんのため?
 
可能性のため。
 
環境が変わって、
例えば硫酸の雨が降るようになって
今の体のままじゃ生きられないっ
となったとき
使っていないDNAのスイッチを入れて
硫酸に強い皮膚を作れるようになったり
硫酸を分解する酵素を作れるようになったり
 
上の例の文章で言えば、
表現できない何かに対し
「きばねふ」という新しい言葉を作る感じですかね。
 
環境が変わったときに対応するための
壮大な仕組みが備わっているんです。
 
それが進化。
 
それを促していた存在がいたとは。
 
すごいもん見れて私ラッキー!
 
そしてこの絵やイメージを
みなさんに紹介することが
私の役割でもあったんだと思います。
 
まだまだ、気づいたことがあります。
次回紹介します。