(『龍の子供』からのつづき)
気が付いた時にはもう、
私は龍の子供である
”馬”の背中に乗って、遙か上空にいた。
「見てごらん。」
同じ方向へ向かって飛ぶ
巨大な生き物たちの大群がいた。
見たこともないような生き物たち・・・
未知なる生物の大群だった。
生き物たちは列をなして、
山の山頂付近へ向かっていた。
そして火口のあたりに
そっと寄り添うと、ふわっと溶けるように
消えて見えなくなった。
「ああやって、噴火のエネルギーを抑えているんだよ。」
未知なる生物だちは次から次へと
やってきては山に消えていった。
「でも、もうそろそろ限界がくる。」
・・・えっ!?限界ってことは噴火するってこと!?
ヤバイやん、あの山どこ?まさか富士山?
富士山噴火したら日本沈没じゃないん?
映画で見たことあるし!!どうしよっ!!!
うろたえる私をなだめるように優しく馬は言った。
「大丈夫、エネルギーを小出しにするだけだから。こういうふうに働く存在たちがいるってことを知っておいて。」
つづく
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私は龍といるときは乗っている感覚はなくて、
一緒に飛んでいるか同化している感じなんですが
馬は乗っている感覚がしっかりあったんで
馬上からのこのアングルというわけです。
この絵を描く自信はまったくありませんでした。
だって未知なる生物の大群なんて・・・
なんとかぼかしつつごまかして描きましたが
実際は1匹づつしっかりクリアに見えていました。
伝説上の生物に詳しかったらもっと分かったんでしょうけど、
鳥と哺乳類の中間みたいなの、
爬虫類と鳥の中間みたいなの、
哺乳類と魚類の中間みたいなの・・・
その中で、はっきり分かったのは”ドラゴン”でした。
ゲームにでてくるような、コウモリっぽい羽持ってるやつね。
・・・ああ、ドラゴンと龍は別物なんやな~
とイメージの世界の中でしっかり
思ったのを覚えています。
だから、私は龍のことをカッコつけて
英語で表記したいときに
”Dragon”は使えなかったんです。
だって別物だもん。
私にとっては龍は”Helix(螺旋)”が
いちばんしっくりくるというわけです。
さて、こんななだらかで雪もない
明らかに富士山とは違う山を
富士山!?と騒いだ自分が
ちょっと恥ずかしくなったあたりで
イメージは終わりました。
計6回の点滴が終わり、体調が戻って
仕事に復帰すると、私はこのイメージを
見たことをすっかり忘れていました。
思い出したのは3か月後、
2014年9月末のことでした。
つづきは次回、
関西弁を喋る龍『再会』にて。