「猫と金魚」 | ◎時空の螺旋◎ spatio-temporal-*HELIX*

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この世界の美しさ
自然の摂理の巧妙さ
命の営みの不思議さ

センス・オブ・ワンダーをアートで表現します。

「猫と金魚」

 

 

 

猫は水の中を泳ぐ金魚を見つめていました。

猫は金魚に聞いてみました。

 

「ねぇ、水の中ってどんな気分?」

 

「水の中?水とは一体何のことでしょう?」

 

「アナタの周りにあるもののことよ。」

 

「ああ、それならあなたの周りにあるものと同じでしょう。」

 

「ワタシの周りには何もないわ。」

 

「そうですか?私には見えますが。」

 

・・・

 

金魚か動くたび、

 

やわらかそうなむなびれから、

しなやかな胴体から、

華やかな尾びれから、

 

くるくると渦が沸き起こりました。

まるで水の中に模様を描いているようでした。

 

「ねぇ、アナタはどうやってそのぐるぐるを描いているの?」

 

「私は描いているつもりはありませんが。

ぐるぐるなら、あなたの中にも見えますよ。」

 

ワタシの体の模様のことを言っているのかしら、

と猫は思いました。

 

・・・

 

「ねぇ、アナタを食べたら、そのぐるぐるは

ワタシのものになるかしら?」

 

「・・・・・・あなたの中のぐるぐると

混じって溶けてひとつになるでしょう。

そしてあなたもやがて

あなたの周りにあるものと

混じって溶けてひとつになるでしょう。」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

絵を描くことで、理解できることや

はっと気づくことがたくさんあります。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチが水の流れを

たくさんスケッチして理解しようとした気持ちが、分かるような気がします。

 

 

 

私は生き物の体のラインがすごく好きで

自然のままで美しいと思っているので

変にデフォルメしたくないな、と思って

がんばってリアルに描こうとしています。

(リアルに描くのはそれはそれでしんどいので

なんとか折衷案を見つけたいんですが)

 

「渦巻く世界」http://ameblo.jp/spatio-temporal-helix/entry-12249955684.html

で、カメレオンやカタツムリや蝶など

もともと渦巻きを持つものと、

渦巻きを持たない生物を描きました。

 

猫と金魚を改めて描いてみて、

渦巻きを持たない生物にも

その体のラインや動きの延長に

黄金比の曲線が存在することに

気付きました。

だから美しく感じるのか!と

ナゾが解けた気分です。

 

 

ではもうそろそろ、次回は

関西弁を喋る龍の第6話

『存在たち』を書こうと思います。