4回にわたって「心は科学で解明できるか?」について考えてきた。

今回は最終回ということで総括してみたい。


キャバクラや合コンに行き、私が心理学を専門にしていると分かると、

女性達の興味はいまだに「私が今何を考えているか分かる?」といった質問に終始する。


そう聞かれると、私はいつも満面の笑みで「エッチなこと考えてるでしょ?」と答えることにしている。


心理学者に初学者的な質問を投げかけると、うんざりした顔をされる。

「それは心理学じゃない」とか「心理学は科学だ」とか言われる。


しかし、そのような素朴な疑問ほど重要なのだ。

初学者の素朴な疑問こそ、心理学の研究対象の萌芽である。


なぜなら、心理学はあくまで人間の心を解明する学問なのだから。

素朴な疑問に答えられない学問など、何の価値もない。


初学者でも心理学者でも共通しているのは、心という対象への興味だ。

人間の心は本当に面白い。


とらえどころがなく、蝶のようにふわふわと舞う。

それなのに、とても儚いのだ。

容易に壊れてしまうのである。


あのキャバクラ嬢たちの素朴な疑問に面白おかしく答えられたとき、

私は心理学を極めたと宣言しようと思う。