電気化学会という全くもって関係ない学会の講演会に参加しました。

というのも、講演会に本川達雄先生 が登場するからです。

題して、「生物の時間から現代社会を考える」。

本川先生は、『ゾウの時間、ネズミの時間』という
サイズの生物学における有名な本を執筆した方です。

彼は、日本初の心理学マガジン『プシコ』 でナマコについての連載を持っており、
あながち関係ないわけではないのです。

講演内容をダイジェストで振り返ると・・・

人間は50歳以降、人工生命体である。
キリスト教とは、時間一神教である。
ビジネスとは膨大なエネルギーを使用して、時間を速めている。
生物学的に子どもを作らないのは、「自」殺の一種である。

といったところでしょうか。

「工学の中心には生き物がいるべきで、生き物との相性のよさが問われるべきだ」
という主張に心を打たれました。

本川先生は、お話の上手い方で、
身振り、視線の配り方、話す速度・抑揚など、ある種プレゼンの理想系でした。

ちょっとした下ネタとユーモアを折りまぜて話すあたりが憎いですね。

最後は、なぜか本川先生作詞・作曲の「生命はめぐる」という歌を、
ご本人が大熱唱して締めくくられました。

歌詞にクエン酸回路やサーカディアン・リズムが登場するあたりが、さすがでした。

とても有意義な1時間でした。

[参考文献]

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