夫の乗った三等室には夫と同様に海外を目指す
日本や多くの国の若者たちが乗っていたそうですが
そのほとんどが学生であり、ニーチェとかデカルトとかそんな話に興味の無い夫は
毎日のようにフランス人の乗組員とチェスをして過ごしたと話しています。
フランス人は勝負にきたない、というのが夫の感想です。
自分があからさまにチェックメイトしても
負けを認めないのだとか。
それでもマルセイユに着いたときに画家を紹介してもらえたということは、
それなりに親しみを持っていたのだと思います。
食事はパンとジャムとコーヒーがマルセイユまで続き。
その名残でか夫は記憶を失くしてからも珈琲だけは欠かさずに飲んでいます。
香港には夜に着き、翌朝には出航したそうで、
まさに百万㌦の夜景のみが印象にあったようです。
私の記憶が正しければこの百万ドルの夜景は
もともとは1953年に六甲山から神戸の港を見下ろして
まさに百万㌦の(電気代が)掛かる夜景だと
東電の役員が呟いたのが語源だというのを某新聞社が出版した
週刊誌のデキゴトロジーで読んだ覚えがあります。
最近の電気代からだともっと高額になりそうですが。