檸檬の日 | ミナミのブログ

ミナミのブログ

のんびり、、まったり

イメージ 1
今日は、高村光太郎の妻、智恵子の亡くなった日。

昭和13年のこと。

智恵子は精神病を病んでいたが、亡くなる数時間前にレモンをかじり、
… 智恵子はもとの智恵子となり/生涯の愛を一瞬に傾けた…智恵子抄『レモン哀歌』

檸檬といえばもう1人、梶井基次郎。

いったい私はあの檸檬が好きだ。
レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色も、それからあの丈(たけ)の詰まった紡錘形の恰好(かっこう)も…「檸檬」より。

もう少し秋が深まる頃、小田原あたりの蜜柑畑の中の山道を車で走ると、庭先に檸檬の実がたわわに生っている家があります。
出荷する心算が無いとみえて、その形は全て歪で。
檸檬は酸っぱいもの、という印象があるけれど、木で熟れたその檸檬はとても甘い。

甘い檸檬。

学生時代、真夏の校庭をマラソンし、汗をかいたその後に、檸檬をそのまま齧るのが好きでした。

檸檬の汁を滴らせながら、その実を齧る。
あたり一面に檸檬の香りが溢れ出す。
そのときの檸檬も、何故か、とても甘い味がしました。

最近、檸檬は、温野菜のドレッシングにしたり、パエリアの調味料にするくらい。

先日齧ってみたら…とてもとても酸っぱくて。
あの頃の甘い檸檬は何処に。