刀剣散歩~新春特別展「鹽竈神社の刀剣」~ | 杜の都のすずめのお宿

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鹽竈神社にある鹽竈神社博物館の開館五十周年記念の新春特別展「鹽竈神社の刀剣」を見てきました。



塩竈神社には,4代目藩主伊達綱村公以降,13代までの歴代藩主によって納められた奉納太刀があります。

39振中35振の刀身及びその拵えが現存しており,宮城県の有形文化財に指定されています。



◆鹽竈神社HP
http://www.shiogamajinja.jp/index.shtml
◆特別展詳細ページ
http://www.shiogamajinja.jp/topics/176.shtml 

・期間:平成28年1月1日~24日(会期中は休館日なし)
・時間:8:30~17:00
・入館料:一般300円,高校生以下無料
・会期中2回展示替を予定。

受付で配付される解説には日本刀の種類や刀身各部の名称,みどころなど基礎知識についてわかりやすい説明が掲載されています。

図録「鹽竈神社の刀剣」も販売されています。
図録は,拵えのカラー写真や,刀身及び茎部分のモノクロ写真,仙台藩お抱え刀工の略譜などが掲載されているので購入をおすすめします。


【主な展示】(1月2日時点)
・太刀 銘 来国光(重要文化財)
・太刀 銘 雲生(重要文化財)
・太刀 銘 重勝(宮城県指定文化財)
・太刀 銘 包蔵(宮城県指定文化財)
・太刀 銘 家定(宮城県指定文化財)
・太刀 銘 重次(宮城県指定文化財)
・太刀 銘 兼次(宮城県指定文化財)
・太刀 銘 源兼次(宮城県指定文化財)
・太刀 銘 包吉(宮城県指定文化財)
・太刀 銘 安倫(宮城県指定文化財)
・太刀 銘 永茂造(宮城県指定文化財)
・太刀 銘 藤原国包(宮城県指定文化財)
・太刀 銘 田代秀太郎長俊 文政十三年二月日(宮城県指定文化財)
・太刀 銘 幕下営日光東照宮大猷院我国君承 台旨輔役令臣監 請 神助於 當社功畢献一宝刀欽奉丹心者也 元禄庚午歳十二月日 大條監物藤原宗道奉
・刀 銘 一奉納造鹽竈大明神神剣一腰 同所住御研高橋善助磨是 寛文四年七月十日 奥州仙台住田代摂津守藤原永重作 弟子重則重清
・脇指 銘 奉納宝剣一振 塩竃大明神御廣前 奥州仙台住家定 元禄七年五月二十一日以南南蛮鉄鍛之
・剣 銘 奉納宝剣一振 家定 塩竃大明神御廣前 元禄九年六月吉日 仙台住福田助左衛門
・脇指 銘 奉納 鹽竈大明神御宝前 武江城下之住 山野氏久英 本国常陸住人至半佰 於武州江戸鍛鍛冶工精盡 肥後守橘吉次作之
・刀 銘 安倫
・刀 銘 明和五戌子歳十二月諸願成就所 古田舎人源良智 包幸
・刀 銘 仙台住白龍子永繁 明治元年十二月日
・刀 銘 仙台住萬歳国次造 明治元年仲冬吉日
・刀 銘 青龍子兼次 明治二歳正月日

ちなみに,安倫は大和守安定に師事した刀工。


上記の他にも,「於青葉山麓」という銘が入った刀や,大和伝の唯一の継承者である宮城県大崎市松山の法華三郎信房さんの刀,仙台市立根白石中学校のたたら製鉄実験学習との協力で作られた刀などが展示されていました。
ショーケースに入ってはいますが,わりと近くで見ることができるので,大和伝の特徴である柾目肌や,月山の綾杉肌をはっきりと見ることができました。
体験展示として,刀の刃文をルーペで見ることができるコーナーや,照明があたった切先をスリットから覗くことで刃文を見えやすくしている「見刀機」(だったかな?)がありました。

(2016年4月3日追記)
「見刀機Ⅱ型」でした。

神社という場所柄,奉納刀が多く,そこに込められた願いに想いを馳せながらゆっくり拝見させていただきました。
日光東照宮の普請をつつがなく終えたことへの感謝を込めて奉納された刀が印象深かったです。
柄が全体の三分の一もある常設展示の大太刀も見ごたえがありました。

協力出品として,個人蔵の刀も入れ替え展示されるので,ぜひこの機会に訪れてみてください。

▼博物館前の四季桜