城の狭間から | 杜の都のすずめのお宿

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お着物,刀剣,武将隊や宮城の魅力などについてのいろいろ。

城を見るうえで「ここが好き!」というポイントは百人十色。
「やっぱり天守閣」という方もいれば「厠が気になる」という方もいらっしゃいます。


私の場合は「狭間(さま)」が見どころです。
狭間とは,侵入者への攻撃のために堀や櫓などに開けられた小窓で,弓矢は縦長,鉄砲は三角というように,使用する武器に適した窓の形をしています。

すずめのお宿


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小窓に蓋が付いていて,敵が接近するまで狭間であることがわからないようにしてあるものもあります。


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限られた視界の中で己の役割を果たすプロフェッショナルな仕事ぶりや,死角となる部分は味方が守ってくれるという信頼感に想いを馳せるとともに,そこから見える景色を楽しむのが好きです。

かつては城を守るためのものであった狭間は,現在では風景を切り取る一つの額縁のようにも思えます。

のぞく角度や季節,時間や天候によって狭間から見える景色は変わり,ときとして自分の心を覘いているようだったり・・・。

京都源光庵の「悟りの窓」「迷いの窓」のような感じでしょうか。

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