【小道劇場】雨の音







帰り道 







急な雨に降られる








瞳に映る景色が変わり、不思議な感覚になる








思い出す 君のこと。






炭酸飲料を流し込む君の喉








雪を見てはしゃぐ君の瞳






雨の中行った動物園で、困ったように笑う君の声







月明かりに照らされた君の横顔








そして











喧嘩別れした君のこと。








ほんの些細なことで突き放した君の顔を。






あの頃の私たちはまだ子供だったから








そんな言い訳が通用するはずもなく 






心に空いた暗い穴









その穴は塞がることを知らない











きっと、この雨が止んだとしても。