銀座 うち山 | 東京徒然日記

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日々の出来事やパンセを自身の備忘録的に綴っています

師走も始まり忘年会シーズン。

今年の第一弾は、美味しいもの大好きな独身貴族の友人たちと。

店選びに毎回試行錯誤するのですが、今回は全員一致で、 『銀座 うち山』に決定。

こちらの店、ミシュラン一つ星の会席料理ということ以外、あまりつまびらかでなく、まあまあお食事しながら色々聞いて行こうとて着席。

白木のカウンターにライトが当たる以外は暗めのお店。奥に、祇園祭の長刀鉾チマキが見える....京都系を汲むのか....。

◉ 焼き胡麻豆腐。
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第一弾は、こちらの名物。見た目はこんがり焼いたお餅。

かなり熱いので、小さく切っていただくと、やはりつきたてのお餅を焼いた時の香ばしさが際立つ。

中身をフーフーしながらいただくと、なにやら白子のようなねっとり感。胡麻の香りは正直そこまで聞こえませんでした。が、醤油と山葵と胡麻と葛、美味しくないわけありません。

食べ終わる頃には、『お代わり!』と言いたくなる始末。
こちらは3個1,500円で買うこともできるそうですビックリマーク

◉ 穴子と雲丹とカブのジュレ
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こちらは、会席料理をさらに崩し、茶の心の真髄である客人に楽しんでもらう席を、心底モットーにしているようです。お料理も最初は華々しく、美味しく、繊細で、お酒が本当に楽しめます。

軽く出汁でゆでたカブの素直さに、焼きアナゴのやんちゃっぷりがよく合います。それをとりまとめる雲丹...。

味付けはすこぶる薄味、◎。

お酒は奈良・春鹿。
癖のない飲みやすいお酒でした。

◉ セイコガニ
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『わぁ!』と歓声が上がる。綺麗ですね~、会席はやはりこの華やかな繊細さも楽しみのひとつです。

福井から来た、いわゆるズワイガニです。今回は捕獲制限されている貴重なメスだそうです。足を食べ切ると中から卵が目
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右側濃いオレンジ部分は外子。お腹からはみでた卵。いわゆる魚卵らしくプチプチします。
この層の下に内子が隠れていました。鮮やかなオレンジで、ねっとりとした、卵の形に形成される前の卵達。どちらも感謝しながらいただきました。

『よう味わって!』
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と言わんばかりのお仲間さん。板前さんが内子と外子の説明をするために持ってきてくれました。

うち山は、スタッフの皆さんの肩肘張らないリラックスしたおもてなしも好感がもてます。

◉ やっと向付の変わりお刺身。
奥はサワラ、左はカマスの叩き。
白いソースは.....『タラの白子のソースですキラキラ
え~ッ!?と驚き、ピンボケに笑。
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独特の香りと変わらぬねっとり感で美味しかったですが、サワラとカマスに合わせなければならない理由は特に見つからず。ちょっとしつこくなってしまってたかな。

◉ 栗のお椀
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これは驚きました。ぱっと見白味噌のお椀です。上下に浮いて見える黄色いのが栗?と思いきや、こちらは銀杏。中央は素揚げの海老芋だそうですし.........やややッ!

これはスープが栗を漉したものに出汁をあわせたものですビックリマーク
これは滋養満点で美味し~い恋の矢

尚、揚げコンニャクと辛子が海老芋の上に添えられていましたが、私のお椀は開けた時には栗のスープに沈んでいました。これら脇役もとても美味しかった。

温まったところで、愛媛のお酒・梅錦に変更。四国・山陽らしい、甘め重めの華やかなお酒です。九谷のお猪口がまた素晴らしい。
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◉ 自家製カラスミ
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こちらもまた興奮してピンボケです笑。
自家製カラスミは、塩っぽすぎず、ねっとりとしたコクが素晴らしく、

『明日のゴマ塩飯に合わせたいから、半分持ち帰らせてビックリマーク

と喉元まで出ました笑。

実はこのカラスミの下に、二口大の蒸し餅米が隠されているんですよ~、これがまた合いまして~ラブラブ!
おかげでお土産分はなくなりました。

◉ ブリの照り焼きと、栗の甘露煮。
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お酒と栗のお椀でボ~ッとしながらいただいてしまいましたが、栗のホコホコ具合がとても美味しかったです。

◉ タラの白子と黄ニラのさっと煮
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こーれーはーほーんーとーうーにーおーいーしーかーっーたーのーでーすー!!
新鮮な白子のタンパク質が、ちょうど煮上がりましたよ、という温度で仕上げられており、

クセのある白子に同じく個性のある黄ニラが協奏し、シンプルな昆布だし塩味のみが、

もうっ、それが、そのっ、だから~あ、

ぜひ予約時に注文して来店してくださいませ馬

◉ 名物・鯛茶漬け
直前まで大興奮させられて、もうご飯ですか~?止め肴も廃止しちゃうのはどうしたものかと、ブツブツ....

と思いきや、焼き胡麻豆腐に次ぐうち山さん名物、『鯛茶漬け』が登場クマノミ(赤い魚の絵文字ないのでニモで)。
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しかし.....

私、鯛茶漬けに良い思い出ないのです。
京都の菊乃井でやはり名物としていただきましたが......タレの醤油の濃さ、漬かりきってどす黒くなってしまった鯛子の酷い舌触り......など、良い思い出残ってないのです。

うち山さんの鯛茶漬けは、お刺身の鯛をその場でやや厚めにスラッスラッスラッとスライスしたてのものを使っているので、鯛子の柔肌具合は楽しめるのですが、やはりタレ(醤油味)が強すぎて私は苦手でした。
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でも、私の好みですので、皆様ぜひご自身でお試しを!

お昼はこの鯛茶漬け定食(?)で1500円だそうです!でも3500円~の予約コースのお客様が優先ですので、鯛茶漬けだけのお客様は待ち。当然、長蛇の列。コースにも鯛茶漬けは含まれていますので、ハレの日ランチに試していただいてもよいでしょう。

さ、私の鯛茶漬けですご、羽釜でタイミングよく炊いてくださるご飯が絶品ピンアップで、鯛の切り身をスワッとすくって汁気を切ってからご飯といただきましたニコニコ

◉ 手作り葛切り
ご飯も美味しくて勿論お代わり。
もうお腹は弾けそうなのに、デザートが残っていました。
でも大丈夫、手作り葛切りですから!
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カウンターの向こうで、板前さんが葛の溶き粉をお皿に入れて蒸し器で蒸し上げているのは見えていました。
カンカンカンと威勢のよい音は、ラザニアシート大の葛切りを切っている音でした。

甘いものはそんなに好きではありませんが、もちもち具合がとても美味しかった。

◉ お茶
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サービス料15%と、銀座代ということで、お会計は気持ち高めかなぁと思いますが、

振り返ればどのお料理も心に残る逸品で、

ぜひまた再訪したいと思ったお店でした。

シェフのプライドや栄華が前面に出てくる料理屋ではなく、本当にお客さんに楽しんでもらうという精神がお料理にも反映されていたと思います。

出しゃばらず、
でも期待されている仕事を十二分にしており、
だからこそ長く愛され・構っていただける、
そんな人間に私もなりたい。

うち山さん、大変に美味しくいただきました。
ごちそうさまでした!!



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