女性先生の教室に通っていた時のこと。

 

スタンダードの時、全員が同じルーティンを、同じ方向に踊ったりするので、混雑ポイントができる。

そんな時、大抵は動く範囲を小さくして踊る。

先生は、大きく踊るか小さく踊るかというのはあまり重視してなくて、小さく踊るときでも、身体の中をしっかり動かすことを重視していたので、小さくなることは問題ではなかった。

 

私が男性役やっていた時には、そういう場面に出くわすと、私はつい、すき間を探す。

すき間を見つけると、そこに入っていきたくなるのだ。

すき間を見つけた瞬間、自分の目がキラーンとなるのがわかる。

「あそこを行けるぞ!」と思う。

みんなが同じルーティンなので、みんなの大体の進行方向も予想がつくしね。

なので、よくすき間を抜けて踊っていた。

 

だが、なぜだかそういうことができず、かといってあまり小さくも動かず、混雑に突進してくる人がいる。

なぜだ?

中には、背の高い男性で、競技ダンサー歴が長い人もいた。

競技シーンより、避けやすいだろうし、背が高いから周りも見渡しやすいはずなのに、なぜだか、突進してくる。

彼が後退のシーンだったから、じゃない。

前進なのに、ぶつかってくる。

 

こちとら、態度はでかいが、身体はか弱い女性。

ぶつかってこられると、怖い。

周りを見ずに踊ってるのかな?

わけわからん。

せめてぶつかる前に止まってくれい。

 

すき間を抜けて踊れると、一緒に踊っている相手が、「すごい、抜けれた」と感動してくれるので、余計に楽しかった。

 

自分が踊っている運動量を変えずに、他の人たちを避けて、すり抜けて踊れたときの気持ちよさは、車の運転と似ている。
軽快に車線変更しながら、すすすい~~~っと進めたときは、やっぱり気持ちいいもん。