2012220日 1800公演。

帝国劇場。

主演:堂本光一

オーナー:前田美波里

ライバル(ヤラ):屋良朝幸

リカ:サントス・アンナ

ふぉーゆー、石川直(ドラム)、山本亮太、岸優太

今回のSHOCK、ストーリーがきゅっと洗練されていてわかりやすくテンポが良い。

ダンスのフォーメーションがものすごく綺麗。洗練されたミュージカル&ショーを満喫した。唐突でわけのわからない場面があるのがジャニーズ流、と思っていたが今回意外にもぴったりとわかりやすくまとまっていた。演出、舞台装置、美術、ダンス、どの場面を

とってもとにかく決まっていて美しい世界。

【オーナー】

まずなんといっても、前田美波里オーナーのかっこ良さ!オープニングから一気に夢の国に連れて行ってくれる。この存在感。登場するやいなや空間全体を支配し、そのオーラで包み込む。その容姿、立ち姿の凛とした美しさに語りだけでわかる熟練された演技力。美波里さん出てくるだけでいっきに作品の質が上がる。

基本的にストーリーに大きな変更点はないけれど、登場人物(演者)が代わるだけでこうもまったく違う作品になるのだなあと思いながら見ていた。

【ふぉーゆー】

の4人はダンス、表情にも余裕がある。動画と静止画じゃ違うなあと思った。彼らは断然動画で魅力を発揮するタイプ。長身とダンスの巧さもあるけれど踊りのときの表情やジャニーズには珍しいタイプの大人の色気を持ちつつもジャニーズならではの「いいお兄さん」という清潔感も失っていない。

【リカ役】

リカ役のサントス・アンナちゃんは茶髪の印象があったので、なんとなくギャルっぽいリカかと思いきや黒髪でものすごいスマイル。顔中で「マナカナちゃん」のようなスマイル。

「オーナーのお嬢さん」といった清楚な雰囲気と宝塚の娘役のような、たとえば愛原実花ちゃんや野々すみ花ちゃんのような「トップさん(コウイチ)についていきます。お支えします」といった寄り添い感のある女優さんを演じていた。艶のある黒髪が美しい。控えめな立ち位置。2012年版の神田さやかちゃん演じるリカは「わきまえている」出すぎないことに気を配ったリカだったが、さやかリカならではの存在感を持っていたように思う。コウイチのことは好きなのだろうけど、実際はオーナー植草が甘やかしたワガママ娘な部分もあるのではないか・・という雰囲気。どんとしたはちきれる感じの可愛さを持つ溌剌としたさやかリカ。持ち味なのかもしれないし、やはり名前がある、という環境故かもしれない。舞台上における2番手、3番手ではないかというオーラがあった。

サントスりかは正直無名ということもあるが、けして2番手ではなく、宝塚じゃないけれど2番手、3番手、4番手・・・ときての娘役、といった感じで存在感がない。しかしそれはそれで悪くないし正解かもしれない。とくに、屋良との組み合わせはなかなかよかったのではないかと思った。いかにも、「あの子いいよな」と男が安心して好きになれるタイプのりか役であった。黄色いドレスについ、つかちゃんのリカ・・も思い出してしまった。

【ライバル役】

ライバル・屋良は、目をむいた芝居をしていた。身のこなしやダンスはさすがだし、ダンスの見せ場がとにかくパワフル。はじける感じ。コウイチと対立するところもそのドロドロした気持ちをカッとした怒りにし、よく伝わってきた。リカを追っかける雰囲気もコウイチに振り向いてくれないリカに対する言葉も本当にストレートに伝わるわかりやすさがあった。ライバル内博貴は、目の隈と陰気な雰囲気から悶々とした悩みは伝わってくるもののその悶々とした感じが「演技」なのか「素で力量がない」のか判別がつきにくいところがあった。正直、屋良はよくできていたしスーパースターであるコウイチに対して「俺だってこれくらいやってやるよ!」的な自信を持つのがわかるような実力が目に見えた。内はライバルというにはちょっとへたくそ・・かもしれない。それでも、容姿から見れば内のほうがライバル役にはふさわしい。「コウイチ」はトップスターかもしれないけど、ライバル内が「俺のほうが若いし背も高いしカッコいい、その座を奪ってやるよ!」とばかりに思いあがっていくのも、とくに内が一人でステージを務めていたシーンは映えた。一方、屋良さんでは「え、コウイチの代わりに屋良さんトップで客席埋まるの・・?」と思わせてしまう部分、ここが苦しいところなのだが、コウイチと比べて屋良さんが圧倒的にその座を奪う要素がないのだ。本当にただの対抗意識を燃やしまくっただけになってしまう。失礼ながら、やらっちが長身であれば、かなりいけてるライバルになったであろう。また、内がやらっちくらい演技と歌とダンスができればかなりいけてるライバルになっただろうと思った。「ライバル」という役どころであっても、コウイチさんが実年齢34歳である以上、どうしても幼馴染のライバルというよりかは少しばかりコウイチさんがお兄さんポジションになってしまうので、「次世代」「若さ」コウイチとは違ったタイプの容姿の魅力、あるいはコウイチと互換可能レベルの容姿+若さ、遜色ないダンス&歌であることを求めたいと思ってしまう。こうやって考えるのが、このSHOCKの楽しみかもしれない。

今の生田斗真ならコウイチを脅かすくらいのひりひりしたリアル緊張感走るライバルになるだろう・・見てみたい。山下智久は、内同様に年齢と容姿は楽しみだが熱さが伝わる芝居ができるかどうかちょっと想像がつかない。

「山田涼介ライバル」はかなりいいと思う。発光オーラは申し分ないだろう。歌もダンスも熱い芝居もできる・・ただめちゃくちゃ若い・・が山田がいい年になるまでもうコウイチのほうも待ちきれない。もう来年、「山ちゃんライバル」でやってほしい。「おじさん、これからは俺の時代だよ」とか言わせて、バチバチくるような舞台が見たい。もちろん、最終的にはまだまだまだまだ若造には負けないコウイチの輝きを見せつけてもらいたい。

【岸優太】 

初出演の岸優太くんの頑張りに目頭が熱くなってしまった。ショウクラではがしがしダンスでおなじみのJr.だが、SHOCKのメンバーとは年齢層が離れている中で大健闘だった。ヤマリョウはソロコンでもいじられキャラでおなじみというのもあり、余裕も感じられたが、岸は想像以上にしあげていた。コウイチさんの次に岸君を見ていたよ。正直いって岸の頑張りに感動してしまった。ダンスも笑顔も必死ながらも丁寧。みんなに失礼のない舞台をしっかりつとめあげていた。最後のシーン、号泣してたように見えたのだが顔芸もいちばん感情入れて、しっかりやっていた。岸くんとサントス・アンナちゃん顔芸(困り顔)のとき似てる。この子ぐんぐん来るんじゃないかなあ。顔も可愛いし。山田・中島健人・岸優太って「全力アイドル」だね。ただ岸くん、立ち姿が猫背になってるときがあってあれはかっこ悪いから治したほうがいい。パンフ読むと、ふぉーゆーも光一も、気にかけてくれたみたい。岸も山本も若手ならではの全力笑顔で華を添えていた。

マンション左側和太鼓、右側ドラムのコラボも面白かった。今回本当にどの場面も振付もダンス・フォーメーションも美しくて群舞が圧巻だった。日本物のところも、かなり洗練されていて美しかったし、フライングもさすがの形の綺麗さ。2012に比べて演出とテンポが美しくかっこよくなって全体的にこぎれいな作品になった。凄い完成度が高い。ただ、2012はオーナー植草の緩い感じとか、さやかリカのオーラ、内のへたくそ要素の緊張感、そしてジャニーズならではの「唐突さ」が少し残っていたのでみょうな温かさというか、連帯感が流れていた感じはする。それに比べて今年は洗練されすぎていて、緊張感が強いというか、研ぎ澄まされていた。小ネタは、ジャニワ客席若い人ばっかりでいいなーって言ったの俺じゃないですから的な話からそういうコウイチさんもけっこう年いってますよねw的な流れ。楽しかったジャニワ!!

シェイクスピアのシーン、コウイチさんはさすがの一言。

もう毎年見続けたい。いつまでも圧倒的な光輝くコウイチであってほしいし、SHOCKが続くならばいろんなキャスト、演出の進化は本当に楽しみ。大人が楽しめる品質の高さは保ち続けながらも、ニューフェース投入していくってのはおもしろいと思う。やる気があって、素質がある子をどんどん迎え入れてほしい。

舞台って、天性のオーラや容姿も大事だけど、どれだけ丁寧に魂込めて丁寧にやってるかとかひたむきさやコンディション、素養、身についてるものなどかなり見えてしまう。

言うまでもなく、丁寧にしっかりやってる役者はそれだけで好感を持つ。