同じ鉱物ベリル
エメラルドとアクアマリンは同じベリルという鉱物の一種です。
純粋なベリルは無色透明で、含有された不純物の種類によって色が変化します。
色味によって宝石名が異なります。
緑色のベリルはエメラルド、水色のベリルはアクアマリンです。
ベリルは他にも赤、ピンク、黄色、無色などのさまざまな色味があります。
ベリルは、ギリシャ語で緑の石という意味の
「Beryllos(ベリロス)」に由来しています。
和名は緑柱石(りょくちゅうせき)です。
エメラルド
世界四大宝石の一つと言われるエメラルドは
鉱物ベリルに微量のクロムやバナジウム、鉄が混じって緑色に変色した天然石です。
インクルージョン(内包物)や亀裂が入りやすいという特徴があります。
多くは亀裂などを目立たなくし透明感のあるエメラルドにするために、
オイル含浸処理をします。
和名は翠玉(すいぎょく)
5月の誕生石
産出国は、ブラジル、コロンビア、パキスタン、ザンビア、ジンバブエ、
マダガスカル、ロシアなどです。
アクアマリン
アクアマリンは、鉱物ベリルに微量の鉄が混じって水色に変色した天然石です。
ラテン語の水を意味する「Aqua(アクア)」と
海を意味する「Marine(マリーン)」に由来しています。
緑色味や褐色味が含まれたものは余分な色味を取り除く加熱処理をし、
美しいアクアマリンの水色に変化させます。
和名:藍玉(らんぎょく)
3月の誕生石
産出国はブラジル、マダガスカル、モザンビーク、ナイジェリア、
ザンビアなどです。
まとめ
エメラルドとアクアマリンは同じベリルという鉱物からできた宝石です。
ベリルの結晶に含有される不純物の違いで色が変わり、
緑色の宝石がエメラルド、
水色の宝石をアクアマリンと呼ばれます。
エメラルドは傷が多い宝石のためほとんどの石はオイル含浸処理されます。
アクアマリンは色改善のため加熱処理を施すことがあります。
宝石が持つ美しさを引き出すために、加熱処理や含浸処理など施すのは一般的です。
美しくすんだ緑色のエメラルドと美しい海の色を思い浮かべるアクアマリン。
色も全く違う宝石ですが、もともとは同じ鉱物からできているんですね。
同じ鉱物でも含まれる不純物の種類によって
さまざまな色がでてくるのはおもしろいですね
天然石の奥深さを感じます。
次回もジュエリー豆知識をお届けします。
参考文献:ジュエリーコーディネーター検定3級・美しさと価値がわかる見て楽しい宝石の本・価値がわかる宝石図鑑