IPFSとは、Inter Planetary File Systemの略で、ごく簡単な言い方をすると、ネット上に存在しているテキスト、画像、動画などのデータの量が爆発的に急増し、大手企業が運営するサーバーがキャパオーバーになる寸前の段階にある今の時代に対応して、セキュリティー性を高めた新しいストレージ(データを保管する場所)を提供する技術のことです。

現在、ネット上に存在しているデータの大部分は、Google、Amazon、facebookといったごく一部の大企業のデータセンターに集中しています。
このようなデータ一極集中のリスクは、サーバーを所有する企業による意図的な情報漏洩、ハッキング問題、改ざん問題などがあります。
また、今後5G、6G時代へと進んでくると、これら大企業が所有しているデータセンターもキャパオーバーとなることが確実と言われています。

そのような問題を解決する手段として、IPFSという技術を提供するプロトコルラボ社が開発したのが「ファイルコイン」と呼ぶサービスです。
IPFSは、個人や企業が持っている空きストレージを提供してもらい、そこにデータを分散して保管する仕組みであり、すなわち分散型ストレージです。
空きストレージの提供者は暗号通貨により報酬を得ることが出来ます。このIPFS事業に参入してストレージを提供する専門事業者のことをスーパーノードと呼んでいます。

分散型ストレージは、例えば100ページあるを機密文書をWeb上に保管する場合、それをすべてひとつのサーバーの中に保管するのではなく、1ページずつバラバラにして100箇所のサーバーに保管します。
その文書の所有者がそのデータを呼び出す場合は、100箇所に存在しているバラバラのページをまた寄せ集めてひとつにして引き出すことが出来ます。
このような分散型ストレージサービスによって、情報漏洩やハッキング被害などのリスクを防ぐことが出来るのです。

IPFS技術を活用している企業や団体は日増しに増えており、例えばNASA(アメリカ航空宇宙局)もIPFSを利用して機密情報の管理を行っています。
プロトコルラボ社が運営するファイルコインシステムは、2020年秋より本格的に稼働する予定です。