母がいろんな書類を何故か整理してはる。
昨日見せてはる
こんなん出てきた。
ひろこのスピーチの下書き。
弟の結婚式。
職人でお話があまり上手でない父に代わり。
親族代表でスピーチした。
姉ちゃんしてや。。弟からの申し出。。
よろしいよ
(お父さん喋るよりええもんな)
母が言う。
ひろこは。さらさらーと文章考えて。。
文字もきれいで。
お話も上手やったね。。ほんまに良かった。
そう。
弟の結婚式。40になってやっと結婚した弟。。
今から10年前の話。
うちの兄貴は4年生。次男は1年生。。。留袖のぴろんのお腹には娘がいた。
銀色タキシード赤い蝶ネクタイ(郷ひろみかよ。。)の兄貴と次男が。初めに喋り。
弟が結婚して安心した。僕の部屋を半分あげて一緒に住もうかと思ってた。新婦がきれいだ。拙い言葉で会場を沸かせ。拍手の中走って祖父母の待つ円卓に戻る。。
ぴろんは会場の皆様にご挨拶し。うちの家族のエピソード。両親との思い出。姉弟の思い出。
新郎の弟に向け。はなむけの言葉を贈った。
円卓でうんうんとひろこのエピソードで頷く父。目を閉じて聞く母を見ながら。
弟にではなく。両親に向けたスピーチだったかもしれない。。
しみじみスピーチの下書きの原稿を読む母。
この下書き。貴女棺の中に入れるから。て前にひろこに言うてましたよ。とっておきなさいな。
そうします。と言いながら丁寧に折り畳んでた。
つくづく思う。
ぴろんは何不自由なく。両親の傘の中で生きてきた。