熊本が未曾有の災害に見舞われ、被災者の方々には心よりお見舞い申し上げます。
隣の県で今回は難を逃れた私ですが、実際に住んでいた土地でもあるし、本当に他人事ではありません。今回の震災を経て、また私の中で熊本にいた頃の思い出が色々と蘇ってきました。
そんなこんなでの更新ネタは、このブログの第1回目にあげた「うちのポチ」である。
賞球5&10 最高継続ラウンド8Rの羽根物
うちのポチといえば、全国的には賞球ALL13の「うちのポチⅠ」の方が出回っていたようであるが、熊本においては、圧倒的にⅡの方が多かった。Ⅰは1店舗でしか見ていない記憶。
同じ機種名で兄弟機があるのは、おそらく今も昔も変わらないが、兄弟機でありながらサウンドとゲージ構成まで異なるのは今日はあまりないのではなかろうか。
先述したように、ポチといえば全国的にはⅠの方がメジャーだったためか、今日YouTube等の動画にあるのもほぼ「うちのポチⅠ」であり、Ⅱのサウンドを聴ける機会はほとんどない。よく調べてはいないが、現在私の知る限りネット上でうちのポチⅡのサウンドを聴いたり挙動を見たりできる動画はない模様である。
私のうちのポチの実践経験は、圧倒的にⅡの方が多いので、今でもⅡのサウンドは私の思い出の中で鮮明に記憶されている。ⅠもⅡもほんわかしたサウンドである点は変わらないのだが、やっぱり私はⅡの方が好きだ。ゲージ構成は、Ⅱの方が役物への寄り釘が少なく、勢いのある玉が役物に飛び込みやすくなっている。ポチは羽根が開いた瞬間に、勢いのある玉が役物に飛び込むと大当たりの大チャンスだったため、Ⅱの方が当たりやすかったと言える。まぁこれは賞球を考えれば当然だろう。
うちのポチⅡを最も多く売った店は、このブログで何度も紹介している、熊本市竜田のパーラーニューエンペラー(閉店)
友人に連れられて、『 付き合いで500円だけ 』打って、純利4900円を得てしまったのがパチの虜になったきっかけである。
その後しばらくはポチしか打たなかった。ポチしか知らなかったという理由もあるが・・・
ニューエンペラーは、羽根物は3000個の定量制であった。
今はこんなルールのパチ屋はないのでは?と思うので解説すると、ひとつの台で総出玉が3000個に到達すると、打ち出しが停止され下写真のような「終了札」が台の隅に据えられる。
そして、本当にしばらくの間、この台は終了台として誰も打つことが出来なくなる。
しかししばらく経つと(この時間は店によりまちまち)、この台が「開放」され、打つことが出来るようになる。
終了させた本人が連続して打ちたい場合には、500円分の出玉を借りる(500円使う)のがエンペラーのルールだった。
500円払わなければ、その終了台は他の人に譲るのがルール・・・なのだが、誰も座っていないのを見てしれっと同じ人物が座っているのもよく見かけた。
悲しいのは、自分が座る前に打っていた人が、例えば終了寸前の2800個程抜いた後に打った時。
300個程度の出玉で「終了」となってしまうのだ。
この「終了」は曲者(くせもの)だった。私が初めてパチンコを打って勝ったのは、この終了台を打って、この時は結果として出てくれた。
終了台は、一度は3000個の出玉があった台ということで、釘が甘い可能性があり、実際にその後も順調に出玉があることもある。
特に釘が読めない人にとっては、台選びの際の大きな参考になったことは確かである。閉店間際とかでもない限り、終了して開放された台には安定して人が座ったものだ。
しかし!!一度は終了しているはずなのに、何故だか途端に出なくなってしまうこともよくあった。
打ちながら「なんかおかしいな~・・・」と思いつつも、「これは終了台だ」という思いが自分を台から離れさせず、ズルズルと泥沼に陥ってしまうこともあった。
特に自分で500円を払い開放させて連続で打った時、「なんかおかしい」と思う状態になっても「わざわざ500円払って開放させたんだから」という思いからなおのこと泥沼になったものだ。
ポチでは3000個終了させた後、500円払って連続開放し、なんと3000個全部呑まれてしまった経験もある。
こういうことが日常的に起こっていたためか、店の陰謀説を唱える客もいて、「連続開放はしない方がいいよ」と、常連客には言われていた。
でも自分が終了した後連続開放せずにその台を去ると、その「やめた方がいいよ」と言ってた人がちゃっかりその後打っていることもよく見かけた(笑)
私は今も基本的にオカルトは好まず、根拠のないことは信じないタイプなのだが、終了台に関しては経験から納得させらることも多く、またパチンコ初心者だったためか、この常連客のアドバイスにはとりあえず従ってみることが多かった気がする。
このオカルトチックな経験の影響もあり、当時パチンコ必勝ガイドに連載された「田山幸憲のパチプロ日記」は、共感できることが多く、また氏の文章の巧みさにすっかり虜になってしまっていた。
出玉が少なくギャンブル性の低いうちのポチⅡですら、終了台の信頼は怪しいものだったのだが、裏を返せばポチであっても勢いで出たり、逆に呑まれたりもあるというのはパチンコの魅力でもあったと言えよう。
そして終了台の信頼はどんどん落ちていく・・・1990年になり、パチンコの内規が改正され、デジパチ並の出玉のある羽根物が登場してからは、信頼は地に落ちたと言っても良い。
賞球7&15 継続15R
それまでの羽根物とは一線をなす大量出玉で、パチンコ屋のシマを大きく変えた歴史的な機種
上のニューモンローや三共のサンダードラゴンの登場は、終了台の意味を形骸化させてしまった。
まぐれの大当たりでも、たった2回連続で当たれば終了になってしまう・・・長期的に見れば、当然釘の甘い台が出るのだが、釘が悪くてもまぐれで終了してしまうことが従来の羽根物よりも増えた。
そしていつしか、定量制という営業形態そのものもなくなってしまったわけである。
ポチの話に戻すと、ポチを右打ち(ゴム打ち)して出す人がエンペラーにいた。
先述したように、ポチは勢いのある玉が役物に入った方が大当たりの可能性は高まるので、勢いのつけられる右打ちはその意味で有効だったのかもしれない。
一人のおじさんが実践し、それで出玉があったことが知れると、エンペラーの他の客も追随してゴム打ちする客が出てきた。
実は私もその一人なのだが(笑)、ゴム打ちで終了させた経験はない。
なんだろう・・・ゴム打ちは落ち着かないのである。
何回か羽根を空振りしただけで、「ゴム打ちが悪かったのでは・・・」と、余計な気が入り、気付けばぶっこみ狙いに戻っていた。
小心者なので、「攻略」は苦手だったなぁ・・・・