前回の続き、豊丸のドンファンである。
ドンファンは、リーチアクションに凝ったものはなく、とにかくスピーディなゲーム性が大きな特徴であった。
そして、打ち手のことを考えた機能もある。
第一は、通常時の時短だ。
保留が満タンになると、その時回転中のデジタルは即停止する。
強力な短縮機能のため、リーチにでもならなければ、通常時は基本的に打ちっぱなしでOKのゲーム性だった。
若干機能としては異なるかもしれないが、これはマジカルチェイサー3に似ている。
現金機の時短デジパチ。
保留玉が一度満タンになり、それを消化する状態になった時、もう一度保留が満タンになるとすぐにデジタルが停止動作に入る。最初に保留を満タンにする時には、この機能は働かない。
上記のような、ちょっと特殊な短縮機能だったが、ドンファンと似た部分がある。
ドンファンは、ヘソが完全な通過チャッカーだったこともあって、玉の減り方は尋常ではなかった。
まだ連チャンアレパチの方が、時間あたりの投資は少なかった気がする。
アレパチの場合は16発打つたびに打ち出しが一時停止するのと、たま~に16発の払い出しがあることが影響している。
ドンファンのもうひとつの特徴は、連チャンにより獲得する出玉をできるだけ多く獲れる工夫だ。
随分前にフルーツパンチの記事を書き、そこで一般電役についての解説文を入れたのだが、90年の内規改正以降の一般電役は、電チューにメモリーが取り付けられ、その記憶分しか電チューは開かない(=出玉に制限がある)ということを書いた。
ドンファンもそうなのだが、特徴なのは、基本的に1回の当たりでは電チューが満タンにならないようになっていることである。
基本的には電チューのメモリーに空きができるようになっているので、早い時期に連チャンが発生した場合でも、あまり損をせず出玉を上乗せできるようになっている。
ドンファン以外の機種では、1回の当たりでメモリーが満タンになる機種が多い。
このような機種の場合、速攻で次の当たりが来て連チャンとなった場合でも、ほとんど出玉が増えない事態になる。
完全な通過チャッカーと高確率と出玉をできるだけ無駄なく獲れる電チュー機能など・・・メーカー豊丸の工夫が感じられる台だった。
ドンファンは、結果的にはマイナーな台だったと思うが、後に豊丸は、一般電役としてナナシーという大ヒット機種を送り出す。
この時から既に一般電役というジャンルに対しての様々な試みがあったといえるだろう。
↑ナナシー(豊丸)
大当たり確率 1/158
賞球7&13 出玉約2300個
一般電役
独特の液晶内の表示形式とそれをうまく活用したリーチアクション、高確率と、右打ちでもデジタルを回せる仕様等のある大ヒット機種