今回扱うのは、フィーバークイーンⅡ
↑初当たり確率 1/254
賞球7&15
出玉 約2300個
保留玉連チャン機
フィーバーキングⅡの直接の後継機であり、デカドラム機の第2弾である。
キングⅡでは、ヘソに入賞するには、クセの強すぎるドラム前のステージを通過しなければならなかった。
このことは客にも店にも総じて不評で、クイーンⅡではゲージを変え、これを解消している。
初見のインパクトは、キングⅡの後ということで特段大きいものではなかった。
しかし、打ってみてすぐに驚いたことがある。
それは・・・ドラム回転音。
キングⅡまでは、音色こそ各機種毎に違えど、どれも「ファンファンファン・・・・」といったような、機械的な連続的な効果音であった。
それがクイーンⅡでは、旋律のあるメロディになっていたのだ!
これにはものすごく驚いた・・・と同時にかなりの違和感があった。
当時こういうことを言うのは周りを含めて自分だけだったが・・・他の一般客は何とも思わなかったのだろうか?私が目の付け所の違う変人なのか?
メロディになっていたのは、通常回転音だけではなくリーチ音もそうであった。
ダブルリーチではメロディが異なったが、シングルとダブルで音楽が変わるのはキングⅡでもやっていたので、これには驚きはなかった。
基本的にはキングⅡと同様のドラムアクションである。
左→右→中の順でドラムは停止するが、テンパイしたら中ドラムはスロー回転をする。
一旦外れた後の2段階があるのもキングⅡと同じ。
キングⅡと異なる点は、まずは「メロディ」だ。
クイーンⅡでは、アクションこそキングⅡとほとんど変わらないのだが、リーチ音に同調して、残り1周になった時に音楽が変わり、ドラムスピードがもう1段階遅くなる。
この時に、当たり図柄が近づくにつれメロディも高音になり盛り上げるサウンドに変わるのが新しい点のひとつだ。
もうひとつは逆回転当たりが加わったこと。
中ドラムの1コマだけの逆回転だが、これは大きなインパクトがあった。
残り1周以内でリーチ音が変わるのだが、ダブルリーチの場合は7絵柄が基準になっている。
このため、7とジョーカー絵柄でのダブルリーチ時、ジョーカー絵柄での逆回転当たりが選択されると、スローになってすぐに当たるという現象が発生した。2回位しか経験していない。
↑この形でのダブルリーチ時に、「即逆回転当たり」が発生する可能性がある。
キングⅡから継承されずに残念だった機能もある。
2コマ過ぎからの2段階当たりは削除された。
これは「音楽に同調するリーチアクション」を優先したために省かれたのだと思う。
クイーンⅡでは、大当たりの判定方法も独特のものだった。
通常、デジパチはヘソに玉が入った瞬間に大当たりの判定がなされ、当たりならばデジタルに当たり図柄が表示され、ハズレならばハズレ図柄が表示される・・・ハズレ図柄の中にはリーチもあるが、ハズレてしまえば、それは単なるハズレと同じ扱いで、別に惜しいわけではない・・・というのが普通だ。
しかしクイーンⅡの場合は、出目カウンターによって左右のドラム停止位置が決まり、リーチじゃなければ中ドラムも出目カウンターに従って停止する。
リーチになった場合は、図柄に応じて別の大当たりカウンターに従って中ドラムの停止位置が決まる・・・というもので、「リーチは惜しい」珍しい機種である。
また、ダブルリーチはシングルリーチと比べ2倍当たりやすいのも特徴。
保留玉での連チャンも、この大当たり判定に絡んだものだ。
大当たり終了時には、保留玉4つの大当たり判定用のカウンターは、高確率で0に書き換えられる。
保留玉でリーチがかかれば、参照する大当たり判定カウンターは0にほとんどなっているということだ。
4種類のリーチパターンの例外があるのだが、それ以外のリーチは全て、大当たり判定カウンターが0で大当たりとなる。
よって、保留玉で特定の4パターン以外でリーチになれば、高確率で連チャンになるという仕組みだ。
4つの保留玉全てでチャンスがあり、キングⅡよりも連チャン率は若干高かった。
キングⅡから、表面上の大きな変化は少ないものの、着実な進化を遂げた機種という感じであった。
特に「リーチ時の音楽に同調するドラム」と、「高い連チャン性」は魅力だったようで、設置状況を見る限り、キングⅡの人気を上回っていたような気がする。
私も嫌いではなく、好きな機種で、色々な店で何度も打っているのだが・・・私はこの「リーチ時の音楽に同調するドラム」が、どうも好きになれなかった。
絵柄のデザイン・サウンド等を含めても、私はキングⅡの方が好きだ。
「リーチ時の音楽に同調するドラム」は、当たりが近づくと盛り上がるのだが、すぐに外れて拍子抜けになる場面も数多い。
キングⅡまでは、そのリーチの盛り上げを、それぞれの打ち手が作り出し、盛り上がる者は盛り上がる・・・・ということだったのだが、クイーンⅡでは、否応なしに台が盛り上げてしまう。
ドラム機で朝一出目ができたショックと同様に、「作られた感」がまたひとつ増えたなと感じた時だった。
ちなみに、ドラム機初の朝一出目ができた機種は、同じ三共のフィーバーアタックGPで、この機種の登場以後、三共の台には全て朝一出目がある。クイーンⅡの場合は中断の赤7揃い。
この新たな「作られた感」の「リーチ時の音楽に同調するドラム」はその後の三共ドラム機のほとんどに継承されてしまった。
私にとっては大きな転換期となった機種だ。
ドラム式のパチンコは大好きなのだが、特に好きなのはキングⅡまでのドラム機である。
この「作られた感」は、現在のパチンコの状態だと考える。
良く言えば「隙(スキ)がない」のだ。
昔のパチンコならば、「何があるんだ??」「どこかに欠陥があるんじゃないか?」といった目線や視点でパチンコ台と接することが多かった。
実際に欠陥はよくあったし、メーカーも無理して連チャンを仕込んでいることも多かったので、打ち方を考えることで打ち手が得をすることが発見されることも多かった。
今のパチンコの事情を詳しくは知らないが、おそらくはこういう「隙や欠陥」といったものは激減しているのではなかろうか。
アクションや効果音、光などがどんどん派手になっていき、「作られた感」が増え、遊んでいるのではなく「遊ばされている」感が増えたような気がする。
私がパチンコをしなくなった、大きな理由のひとつだ。
もう昔に戻ることは出来ないのだろうが、メーカーにはひとつ原点に立ち返っていただきたいなと願う。