前回、90年改正後の権利物を扱ったが、その中でもニューギンは積極的に権利物を投入してくるメーカーだった。

トリプルエースの後に投入したのが、2回権利物の「ツービート」だ。



馬並の、ちょっとマニアック・パチンコ回顧録

ゲーム性はツインズと全く同じ。

アタッカー入賞チャッカーが回転体になったことがツインズからの大きな変更点である。

デジタルの左出目にオールマイティ図柄があるのもツインズと同じで、ツービートは傘の絵柄だった。(ツインズはタコ図柄)

リーチがかかっても、そのままでは当たることは絶対になく、音とデジタルの色が変化するロングリーチにならないと当たることはなかった。

表面上のリーチ確率は1/5.5と非常に高く、当たる時は必ず・・・前後1コマ違いの時にはロングリーチになる率が高く、ロングリーチそのものの出現率は非常に高かったのだが、このゲーム性がウケ、ツービートはそこそこのヒット機種になった。


ちなみに、機種名は「ツービート」なのだが、北野武とはなんの関係もない台である。

以前に紹介したマルホンの「ウルトラセブン」同様、こういったことが許される時代だったのだ。


ツービートの次にニューギンが発表したのが、3回権利物の「カーニバル」である。



馬並の、ちょっとマニアック・パチンコ回顧録

ツービートとほとんど同じである。

違うのは・・・・

①3回権利物である

②デジタルのオールマイティ図柄が、傘からヨットになった

③確率が1/280→1/300になった

④盤面デザイン


以上4点のみで、他は全く同じであった。

3回権利物にも関わらず、確率がツービートと大きくは変わらない1/300で、スペックだけみるとかなり甘い機種である。


似た物同士のツービートはそこそこのヒット機種になったが、カーニバルは全国的に大ヒット機種になった。

デジパチのように安心して遊べるゲーム性と、大量出玉、そしてあのロングリーチがヒット要因であると思う。

この頃のデジタル権利物は、一度デジタルが揃えば、たとえ役物への入賞がなく権利を獲得できなかったとしても、規定回数分の権利が発生するまではデジタルが確率変動していた。

そのため、玉切れなどで権利が獲得できなかったとしても、すぐまたデジタルが揃うので安心して遊べたのだ。

ただ、カーニバルは玉が1個でも役物に入れば大丈夫だったので、ほんとに心配無用だったのだが、中には「3個以上」や「5個以上」役物に入れる必要のある機種もあった・・・・振り分けはないも同然だったのだが。

代表的な機種は、奥村の「スーパースター」だ。



馬並の、ちょっとマニアック・パチンコ回顧録

↑スーパースター(奥村)

確率1/330の3回権利物。いかにも振り分けがありそうな役物があるのだが、玉が5個以上入れば確実に権利発生となった。

しかし、普通に玉が飛んでいても5個入らないことがごくまれにあった。

たとえ権利が発生しなくとも、一度デジタルが揃えば3回権利発生するまで高確率状態になったのだ。


カーニバルでは、一度デジタルが揃うと、何の図柄で揃ったかを表示する小さいデジタルが存在した。

これはラッキーナンバーを確認するための物で、一回交換の多かった権利物だが、デジパチのようにラッキーナンバー営業を行う店も現れ、メーカーもそれに対応した形である。

ここで思いつくのは、「一度デジタルが揃っても、たとえば7などのラッキーナンバーでない限りは権利を発生させず、ラッキーナンバーで当たった時のみ権利を発生させればよいのでは??」という悪知恵だが、それは不可能になっていた。

一度デジタルが揃ったら、権利が発生するしないに関わらず、最初に揃った図柄がずっと表示されるようにどのメーカーもなっていたのだ。