前回の続き。
大劇では、パチスロのニューペガサスと、羽根物以外のパチンコのシマ担当になっていた。
二度あったトラブルの一回目は、ニューペガサスのシマでの出来事だ。

馬並の青春の軌跡
ニューペガサス(パル工業)

その前に、ニューペガサスの紹介と当時のシマの状況を書こう。
ニューペガサスは1・5号機で、現在の5号機とは大きく異なる点が多い。
①クレジット機能がない
クレジットがないので、当然ベットボタン、精算ボタンもなく、コインは毎回手で投入し、払い出しは全て下皿に出てきていた。
②ウエイトがない
ウエイトがないので、コインを投入してレバーを叩けば、すぐにリールが回転していた。2号機から、前回ゲームから4秒以上経過しないと次ゲームに移れないウエイト機能の搭載が義務付けられ、3号機から4・1秒に変更されている。
③ボーナス抽選は吸い込み方式
吸い込み方式とは、ボーナス終了後又は設定変更後に、吸い込み予定枚数が決められ、その枚数吸い込まないと絶対にボーナスが揃わない仕組み。
吸い込み予定枚数の範囲を決めたテーブルが4種類あり、設定によりテーブルの選択率が異なった。
テーブルにより「連チャンゾーン」「ハマリゾーン」が存在し、浮き沈みの激しい出玉演出をしていた。
吸い込みは枚数であり、ゲーム数ではない。よって途中の子役は採るだけ無駄であった。
ニューペガの場合は、最も子役を取りこぼしやすい逆押しで打ち、子役を外しながら打つのが基本であった。
2号機からこの抽選方式は禁止され、毎ゲーム抽選を行う確率方式になっている。
④手動リセット
ビッグボーナスが終了したら店員を呼び、リセットしてもらわないと次のゲームに移れなかった。
リセットが現在のように自動化されたのは4号機になってからである。
⑤リプレイがない
リプレイが登場したのは4号機からである。当然ながらリプレイ外しもない。

台の特徴は上記の感じだが、シマの状況も現在のパチスロとは違った。
①軍手をして打つ客がいた。
今はほぼいないのではなかろうか??当時は10人に1人位は軍手をしていた気がする。
普通に軍手をしているだけの人・・・・人差し指と中指部分を破いている人など、いくつかのバリエーションがあった(笑)
②手動コイン補給
台のコイン補給はもちろんのことだが、コイン貸し機(台間サンド)のコインも店員が手で補給していた。パチスロのシマで最も多い仕事がこれであった。結構肉体労働である。
③モーニング
朝一の状態で、店側がボーナスフラグを立てておくモーニングサービスを、どの店も当たり前に実践していた。
当時の大劇の場合、ニューペガ全約40台の中で、モーニングの入っていた台は5台程度。
大したことないと思っていたが、それでも朝の台取り合戦はすさまじく、「ケンカを防ぐこと」「開店前から既に手にコインを手に持っている客のチェック(最低でも1000円分のコインは買ってもらうため)」が店員の仕事だった。
前日までにコインを持ち帰り、モーニング時に持ってくる客が結構多く、厳しく注意していたものだ。

以上のような感じだったが、トラブルとなった原因は、ニューペガのゲーム性と客層からきたものである。
ニューペガは、激しい連チャンとハマリのある波の荒い仕様だった。
連チャンする時は10連チャン位は普通に起きていた気がする・・・店員がリセットをするので、連チャン中は何度も同じ台に足を運ぶことになり客観的に分かりやすかった。
ハマリは設定4の1700枚ハマリが最高で、金額にすると3万4千円ストレート・・・なのだが、ん??これは今思うと大したことないな??と書きながら思った。
とにかく1000枚吸い込み位のハマリはよくあったので、それに腹を立て、台を叩く客はかなりいた。
今よりもある意味「ガラの悪い」客は多かったと思う。

そんな中で、いつものように私が仕事をしていると、ある客が突然立ち上がって胸倉を掴まれてしまったことがあるのだ。
何やら喋っているのだが、相手は興奮しているのと熊本弁のため、私は理解不能で困ってしまった。
周りの客も立ち上がって人だかりが出来、店内は一時騒然となってしまった。
店員も集まったが・・・要は、出ないことに対する八つ当たりであった・・・なんで自分なんだよ!!
落ち着いた話など出来ない・・・店員も興奮状態になり、その客は出入り禁止と相成りました。
殴られるのかという雰囲気だったが、幸いそこまではならなかった。
八つ当たりなら、バイトの自分ではなくマネージャーに言ってくれ・・・しみじみ思ったものだ。