前回に引き続き、フィーバーレクサスⅥ


馬並の青春の軌跡


レクサスシリーズには、共通の有名攻略法があり、私もそれを実践していた。
「朝一単発回し」である。
正確には、電源を入れて一度も保留ランプが満タンになっていない台を単発回しで当てるということだ。
当たった後、アタッカーが開いてから打ち出せば、約80%という高確率で保留玉一個目の連チャンが発生した。

理屈を簡単に書くと、レクサスは大当たり中のコンピューターの作業量が意図的に増やされており、保留玉情報の更新を行う前にリセットが入り、保留ランプが点いていない時の情報がそのまま反映されてしまうという仕組みで、保留ランプが空の部分に仮に書かれる数値というのが大当たり乱数値になっていた。

一度保留ランプ4個目が点いてしまうと、連チャン率は50%程度に落ちたが、それでも何も攻略法がない機種よりは遥かに勝ちやすく、自分も額はたいしたことないが堅く勝たせてもらった機種だ。
しかしレクサスには、まだ朝一出目というものが存在しなかったので、店を開ける前に保留玉ランプ4個目を点けてしまうという悪徳店も存在していたらしい・・・・。
朝一出目はないので、客は見た目には分からないわけだ。
ちなみに、ドラム式のデジパチで朝一出目が登場するのは、同じ三共のフィーバーアタックGPからである。
この機種は下段に「緑7・BIG・緑7」が朝一出目になっていた。

他にレクサスの特徴を書くと、まだドラムを照らすライト等は装備されていなかった。
そのため、誰も打ってない時も大当たり中も、ドラムボックス内は暗いままであった。
今もし店にあれば、恐ろしく地味な台になるだろうな。
ドラム内が照らされるようになったのは、フィーバーフラッシュⅠからである。

「朝一単発回し」攻略法は、堅い攻略法ではあったが、いざ実践するとなると、この単発回しが想像以上にキツかったのを覚えている。
投資は遅くなるが、当然大当たり間隔も長くなる。
一回回りだす度に打ち出しを止めるのは、長時間やるには結構な忍耐力を要すると思った。
同じ攻略法が、豊丸のドンスペシャルBや、三洋のパニックイーグルにも通用したわけだが、レクサスでは二機種にはないメリットがあった。
レクサスⅥの当たり図柄は7のみ・・・そのため、最初に止まる左リールに7がなければハズレ確定になるので、その時点で次の打ち出しをするということができた。
ドンスペやパニックでは、第二停止まで待たなくてはならない。
長時間打つと、この差は結構大きいものだった。
また、単発回しでハマリに入ると、永遠に当たらない気がしてきたものだ。

自分が打つ頃は、もうレクサスシリーズは引退間近の台だったので、設置店を求めて彷徨っていたのも懐かしい思い出だ。
当時自分は原チャリが移動手段であったが、熊本市の隅々を原チャリで移動し、設置機種や出玉の状況を調べていた。
当時は携帯電話もインターネットも、まだ一般にはない時代。
お店が情報を開示することもなかったので、頼みは自分のフットワークであったのだ。
しかし、情報が多すぎて振り回される現在よりも、この時代の方が判りやすく良かったのかもしれないと思う。