HISTORY OF INDUSTRIAL STYLE
今日は、日本ではあまり聞かれないジャンル<インダストリアル>について書いていこう。
インダストリアルとは直訳すると「工業用の、産業の」という意味だが、そんな工業地帯で響き渡る金属的な音を音楽に取り入れたのがインダストリアル・ミュージックと呼ばれるモノだ。
今回は、このインダストリアル・ミュージックを全2回に渡って紹介していこう。
エレクトロニクスにロックの初期衝動を叩き込み、ノイズや電子音塗れになりながらもアナーキズムを放出していたインダストリアル創世期から、突如としてスラッシーなギターを取り入れ、一躍ラウド・ロックのメイン・ストリームに躍り出たインダストリアルの歴史とは?
今やHM(ヘヴィ・メタル)/HR(ハード・ロック)というカテゴリーの中で、テクノ/インダストリアルと呼ばれるロックは、時代に選ばれたハード&ヘヴィなロックのサウンド・フォーマットとしてその地位を確立したように見える。事実欧米では、これらのバンドはHM/HRチャートにも数多くランクインしており、今更区別して考える必要も無い程だ。既にその兆候は90年代初頭からあり、例えばライヴでは完全マニュアル演奏のバンドであってもレコーディングでは巧妙にドラムのサンプリングや打ち込み(プログラムされたビート)を用いる等、徐々にそのテクノロジーはHM/HRの世界にも深く静かに浸透している。そしてその最も顕著な例と言えるのが(作品としての良し悪しはともかく)、既に解散したとは言え、メタル・ゴッドとまで呼ばれた男、元ジューダスプリーストのロブ・ハルフォードが結成した<TWO>で披露したサウンドである!
そこで、混乱を避ける為に今現在、一般的にインダストリアルと呼ばれる音楽と、70年代後半から80年代にそう呼ばれた用語としてのインダストリアルとの違いを簡単に説明しておきたい。まずインダストリアルという音楽的な意味での言葉の起源だが、これは70年代のパンク・ムーヴメントと同時多発的に欧米から登場した、ロックを含む初期の実験的なエレクトロニクス・ミュージックの総称として便宜的に用いられたのがその発端だ。また丁度その頃、実験的なノイズ・サウンドと過激なパフォーマンスで知られたアート集団、スロッピング・グリッスル("脈打つ男根"の意)が、その名もインダストリアル・レコーズという自主レーベルを設立した事もこの呼び名を広める事となった。またその直後にはシェフィールド出身のキャバレー・ボルテールが、インダストリアル・ビートの原点とされる様なプリミティヴなエレクトロニクス・ビートを生み出し、オーストゥレリア出身のフィータスはロンドンで音楽活動を開始。またドイツからはエレクトロニクス・ノイズの個性派、SPKの登場や、EINSTURZENDE NEUBAUTEN(ゴメン、読めない)は、産業廃棄物やメタル・ジャンクを楽器として使った独創的なパフォーマンスで注目される等、従来のロック・バンド形態に拘らない自由な発想のもと、まだサンプリング・マシーンも無い時代に様々なジャンク・ノイズやテープ・ループ(注:サンプラーやシークェンサーが無かった時代、アナログ・テープを輪状に繋いで、同じパートを繰り返し再生させるテクニック。転じて同じ音源を機械的にリピートさせる事をループ再生と言う)等を用いて独自のサウンドを作り上げていった事がその基礎になっている。従って最初はイギリスのエレクトロニクス・ポップに呼応する様な、ソフトな音楽性のグループとしてスタートしたミニストリーが、マーク・スチュワートやNEUBAUTENとも関係が深いON-Uレーベルのエイドリアン・シャーウッドやキース・ルブランらのサポートを得て、エレクトロニクス・インダストリアル・ミュージックの傑作「トゥウィッチ」を86年に作り上げたのは偶然ではないし、またシャーウッド、ルブランが後にナインインチネイルズのデビュー・アルバムをプロデュースし、フィータスやスロッピング・グリッスルのピーター・クリストファスン等、インダストリアル・ミュージックのオリジネイター達がいてこそ、ナインインチネイルズ等のリミックスを手掛けてるのも歴史の必然と言えるだろう。
そして少なくともドイツ出身のKMFDMやイギリス出身ながらドイツでデビューしたピッグ、そしてキャナダのスキニーパピーやニューヨーク出身のコップシュートコップ等、80年代にデビューしたインダストリアル系のアーティストは、間違い無く上記のオリジネイター達と直接、間接を含め、何らかの繋がりや共通する音楽的背景があり、ミニストリーやナインインチネイルズ同様に後続のバンドに多大な影響を与え、90年代に入って一気に花開いた感のあるインダストリアル・ロック・ブームの基盤を築いていったというわけだ!
この話を聞いてると、ヒップホップのサウンドやビートって白人達が作り上げた様に思えるのは俺だけか?まさか、この話にロブ・ハルフォードの名前が出て来るとは思わなかったなぁ。
さて次回は、90年代のインダストリアル・ミュージックの背景について書いていきます。
アクセスはそのまま!!!!!
to be continue...

