あの日の空。 | 生涯繁盛

生涯繁盛

悪戦苦闘、暗中模索、そんな人生だけど必ず何か見つかるはずだよ。
何もやらなくて「出来ない」と言っていた自分の成長日記。


今となっては昔の話。

だが自分にとっては大きな話。

最後まで見て頂けたら嬉しいです。





大学卒業。。。。。。。。。。。。。。

間近になって就職活動を始めた私は、大きな製紙業の会社に運良く入る事が出来た。

・・・・・・・・・・・1年で辞めた。

きついし、不景気か何だか知らないけど給料下がるとか意味分からなかったし。



セブンイレブン(以下セブン)とガソリンスタンド(以下スタンド)で働きながら勉強して国家公務員受けて受かった。


・・・・・・・・・・・・1日で辞めた。クソつまんねえ。



「社会復帰出来るのかな。」



セブンとスタンドに復帰。

セブンイレブンは22時から7時。ガソリンスタンドは10時から19時。

セブン終わってスタンド行って仮眠。

スタンド終わってセブンで仮眠。

週6日。

休みの1日は寝るだけ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・腐ってたな。


まぁ。親の建て前上就職活動はしていたよ。
営業職を適当に受けて・・・・・・・・。




とある日。



セブンの後スタンドが無かったから7時に歩きながら酒飲んで帰った。

「×××××!!!!」

聞いた事もない音?鳴き声がした。

猫に襲われているスズメだった。

咄嗟に助け、家に連れて帰った。

羽がむしり取られて、足は折れてる。

ただ。ただ。精一杯泣いていた。



家に帰って水を与え、酔っ払ったままホームセンターの開店を待ち、鳥のエサを買った。




・・・・・・・・・・・・・・・食べた。



日に日に少しづつ元気になるのが素人目にも分かった。


名前は「ちゅん」


なぜか分からないが自分自身が変わった。ちゅんが「生きよう」とする力が、日に日に自分自身への活力へと繋がっているようだった。

1週間後たまたま見つけた某大手企業の中途入社就職説明会へ参加。


37人中募集人員は1名。

以前の自分なら適当にと思っていたが、その時は既に生まれ変わった自分。
最終選考まで残った。



翌日。スタンドのバイト中。


「是非。うちの会社の力になって頂きたい。」


と合格の電話。



飛び跳ねて喜んだ。
本当に嬉しかった。
心から喜んだのは何年ぶりだったんだろう。


スタンドの仲間もセブンの仲間も喜んでくれた。


早く家に帰って「ちゅん」に報告したかった。
前向きになれた自分がいたのは「ちゅん」と出会って、小さな命の必死に生きようとする姿を目の当たりにしてから。


ちゅんに一番お礼が言いたい。喜びを伝えたい。


ちゅんを抱き上げた。
「ちゅん!俺採用されたよ!社会復帰出来るんだよ!!!!」
自分の気持ちが通じたのか、今までにない大きな鳴き声。今までにないバタバタと大きく羽ばたく翼。
10センチ位飛んだ。
飛べるようになったのを見せてくれているようだった。









・・・・・・・・・・・そして、ちゅんは動かなくなった。










掌に舞い降りたちゅんは動かなくなった。



何度も呼びかけた。



何度も・・・・・・・・。



何度も・・・・・・・・。



冷たくなる小さな体が掌を伝わった。











翌日。



ちゅんを手作りの船に乗せ、川へ流した。

ちゅんのお陰で自分が変われ、新しい一歩を踏み出せた。

ちゅんの分まで精一杯生きようと思った。


「ありがとう。」













ちゅんがもう一度飛びたかったあの日の空は・・・・・・・・・・






青かったな。