もうすっかり秋ですね~、というかこの後一気に冬になりそうでこわいです。もみじ
 
朝夕はともかく、昼間はとても過ごしやすい今の季節。
 
秋風に吹かれながら、優雅に楽器を演奏される方も多いでしょう。
 
さて、一人で演奏する場合、あまり音程を気にしなくていいと思いますが、これが合奏となると話は別。
 
仮にチューナーで「適正」な音程をとっていたつもりでも、不協和音となり全体としてバラバラな印象に
 
なってしまいます。
 
ピアノ奏者からすると音程とは平均律のことと思います。
 
ピアノの構造上、平均律で調律されたピアノはそれ以外の音律を奏でることはなく、人間が弾いても
 
極端に言えばネコの手を借りても「ド」は同じ音程の「ド」、ということになります。ネコ
 
でもバイオリンなどの弦楽器やフルートなどの管楽器は、演奏者自身で音程を変えることができ、
 
平均律ではだせない美しい音律を奏でることが出来ます。
 
特に、ハ長調で言えば「ドミソ」「ソシレ」「ファラド」などの和音が美しい音律、「純正律」を弾く事ができるのです。
 
 
・・・・また前置きが長くなりました・・・。汗
 
 
時は1890年、ドイツ。
 
ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世主催のコンサートの会場は満員。
 
そこで演奏されたのは、情熱をもった一人の日本人がつくった純正調リードオルガンでした。
 
 
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写真と本文は同一のものではありません。
 
その音色は今まで聴いたことの無い、美しいハーモニーを響かせ聴衆の心をとらえたようです。
 
かの有名なウィーンの作曲家、アントン・ブルックナーも絶賛するほどであったとか。
 
鍵盤楽器の宿命として、1オクターブを平均に12鍵で受け持つ平均律が一般的ですが、
 
音階を規則的に12で割っているため、本来の音の響きがズレてしまいます。
 
そこで、周波数の比が簡単な整数比になるよう音階を決め、耳に心地よい協和音を多く発生させる
 
音律、純正律(調)にこだわったのがこの純正調オルガンです。
 
1オクターブを20鍵にすることで対応しているとのこと。音譜
 
ちょっと弾くのが大変そうですね。
 
さて、このコンサートの成功によりますます弾みがつき、1892年、ドイツ皇帝や有名音楽家、日本
 
からの協力をえて、世界初の純正調パイプオルガンの製作を達成します。
 
この偉大な明治の功労者の名は・・・・・田中正平博士。
 
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田中博士は東大理学部を首席で卒業後、森鴎外らとドイツに渡り、研究に研究をかさね
 
ついに純正調オルガンの製作に成功します。
 
製作中はそれこそ難問が山積。
 
メーカーのストライキみたいなこともあったようです。しょぼん
 
それでも信念を貫き、見事完成。
 
しかも当時の日本からくらべればヨーロッパの音楽界は雲の上の存在。
 
そこで世界に名だたる音楽家、著名人から拍手喝采をあびる成果をあげるなど、本当に奇跡としか
 
言いようがありません。
 
それも30歳そこそこの若さで!
 
田中博士を支えたその信念の背景について、私などには知る由もありませんが、このような
 
偉大な日本人がおられたことを誇りに思います。
 
・・・・田中正平博士、皆さんご存知でしたか?
 
私が不勉強だけならいいのですが、そうじゃないなら教科書に載せてもっと一般に知らしめる必要
 
があるように思いました。
 
つづく