【第七号メルマガより】プリオラート特集 3 | スペインワインと食協会のブログ

【第七号メルマガより】プリオラート特集 3

【プリオラートQ&A】

スペインワインと食協会のブログ-1
左からレストランサンパウシェフソムリエ菊池氏、
醸造家アルバロ・パラシオ氏、
帝国ホテルソムリエ伊藤氏


Q.【菊池氏】
10年ほど前、スーパースパニッシュワインとして濃厚な味わいが流行ったと思い ますが(時代のせいか)、それに比べ今はエレガントな造りになっ た気がしますが、実際いかがでしょうか?
A.【Toni氏】
今は、果実味のあるエレガントな物が増えてきました。生産者が消費者の好みを みて、そういう作りになってきている、と言えると思います。

スペインワインと食協会のブログ-2



Q.【櫻井氏】
私たちが認知しているプリオラートのワインスタイル・流れは、主に3つに区切られるかと思いますが、それぞれの背景、ワインスタイルはどのような ものだ とお考えですか?

①1950年~ 
A. バルクワインが主流。アルコール度数が15%以上。地元の人たちが飲むワイ ン。瓶詰めを行わない。

②1990年~ 
A.ボルドーの影響を受けたワイン。外来品種のブドウを栽培し、土着ブドウとブレンドしたフルボディ。ワイナリーによって瓶詰めが行われるようになる。

③現在
A.果実味のあるエレガントなワイン。レストランで抜栓して、食中に楽しんでいただけるタイプのワインが増えてきました。


スペインワインと食協会のブログ-1
プリオラートの代表的な土壌「リコレリャ(粘板岩)」
こちらはSubzona Solanes del Molarのリコレリャ。


Q.【伊藤氏】
ここ15年でボデガ(ワイナリー)の数が急激に増えたと思いますが、それに伴い 栽培面積も増えたと思います。 もっと開墾して増やして行くのか? この辺りで 抑制して行くのか? 今後はどの様にお考えなのかをお聞かせください。

A,【Toni氏】
確かにボデガの数は1990年8軒から、2012年は97軒と、「4人組」の影響で起きた プリオラートの一大ブームをかわきりに急激に増えましたが、大規模なワイナリーで大量生産ということは土地柄的にもとても難しいのが現実です。栽培面積が増えているとはいえ 1.891,54ha(2012年)。フィロキセラ害虫に襲われる以前の方が現在の栽培面積より大きいくらいです。しかも過酷な土地柄と厳しい規制 の為、プリオラートのブドウの収量は格段に低いことを忘れてはいけません。※

スペインワインと食協会のブログ-1
レルミタより。


今後については、市場がプリオラートのワインを今よりもっと求めるならば、自 然とプリオラートのワインも増え、開墾は進むでしょうが、全ては市場の需要に 比例すると思います。 ただ、先ほど申したように、とても過酷で、大量生産ができる土地ではないので 抑制をする必要は今のところ考えていません。
(開墾はあくまでDOCaプリオラートの産地内にて)




プリオラート特集 4に続きます!