大失敗の訪問相談 | 不登校の子ども、障がいのある子どもの学びの場☆スペース海

大失敗の訪問相談

もう20年近く前のはなし、

直接不登校の子どもに関わった初めてのケースかもしれない。


5年生の秋から、休みがちになり、中学受験して私立の中学に進学。

新しい学校にも慣れたころ、中学2年でまた不登校の状態になった。


5年生で休みがちになったとき、中学受験のとき、

ずっと関わりがあったので、中2で不登校になったときにも、

すぐに連絡があった。


本人は客間でフトンをかぶって寝ていた。

私もそこに通されて、お母さんの話を聞いた。


はじめのうちは、私立の中学に入学してからの様子を聞かせてくれた。

でも、そのうちに、学校に行けなくなった話になってくると

お母さんはひどく感情的になってきた。

子どもがフトンをかぶって寝ているのに、

お母さんの子どもを責めるコトバは止まらなかった。

お母さん自身の苛立ちをコトバにして、子どもにぶつけているようだった。


お母さんのコトバを聞いていて、

だんだん私もイライラして、腹が立ってきた。

子どもがかわいそうで・・・

その内に私はお母さんの言葉に反論し始めた。

いつのまにか、お母さんを責めていた。

その時だった、

うううっーと大声で子どもが叫びはじめた。

ずいぶん、長く叫んでいた。


子どもの叫び声が収まったころ、私はなにもできずに、その家を後にした。

そして、その後何度もその家を訪問したけれども、子どもには会えなかった。

大失敗の訪問相談だった。



なぜ、子どもは叫びはじめたのだろう・・

長い間、そのことが気になっていた。


私はその時、お母さんの苛立ちやつらさを受け止める術をもっていなかった。

そして、本人のつらさにも思い及ばなかった。


なぜ、子どもは叫びはじめたのだろう・・

結局、本人に確かめることはできなかったけれども、

こんな風に思っている。


子どもにとっては、どんな親でもかけがえのない親。

学校に行かないって、親に責められても親は親。

怒られることもあるけど、守ってくれるのも親。

そんな母親がニッタさんに責められている、怒られている。

しかも、自分のことがきっかけで責められている。

母親が責められているのは、自分が責められている以上に

つらかったのかも。


この失敗から学ぶことは多かった。

まず、すぐに実行したことは、初回の面談は親だけに限定したこと。

親の不安、苛立ちを十分に受け止めて、

それから必要に応じて、子どもとの面談をすることにした。


転んでもただでは起きなかったけど、

「本当にごめんなさい」と今更に謝りたい。