ファーストフード店で商品を待っていると
レジの店員が1万円札を出されて
お釣りが足りずにパニックになっていた
そこをすかさず現れる
太鼓っ腹のバイトリーダーがドカドカ音を立て
眼鏡をキラリと光らせつつレジに近づく
パニック店員を落ち着かせつつ
レジの底にあるケースを開き
両替用の予備札に手を伸ばす
が
両替用の予備札も無い
バイトリーダーの顔は
みるみる悲壮感に満ち溢れ
振り返りざまに、店長ーっ!と叫んだ
その刹那
先ほどまでポテトを揚げていた女性が
静かに隣のレジを開け
千円札の束を2つ取り出し
手早くパニック店員のレジ内の万札と入れ替える
自然で無駄のない動きで処理した彼女は
持ち場に戻りポテトに塩をふるう
どことなく優雅で
降り注がれる塩も踊っているように見えた
息をするように問題を片付ける
星人のような人になりたいものだと思った