満員電車に無理矢理乗り込む
容赦なく駅員が押し込む
押し込まれる間際に
その星人を見つけた
ベンチで
こちらを見ながらニヤニヤしている
一度気になると目につくもので
彼は毎日そこでニヤニヤしていた
30代くらいの
地味でラフな格好をした星人は
肩を震わせ口に手を当てニヤニヤしている
泣いているようにも見えた
こちら側と向こう側には
白線が引いてあるだけなのに
まるで数光年離れているかのような
果てしない距離感を感じる
果てしない銀河の果てから見て
我々はどう見えているのか?
問いかけられている気がした