過去の私は
誰かと自分を比べては
ひとりで泣いていました
欲しいものを「欲しい」と言えず
笑い声と希望に満ちた教室の隅で
孤独をひとりで背負うかのように
静かにうつむく子どもでした
それでも
夢を見ていたんです
いつかきっと
誰かが私を救ってくれるのではないかと
「ひとりで生きていく」と決めた心の奥に
「誰かに愛されたい」と願う声が
ずっと、矛盾しながら生きていました
心はいつも
渇いて、飢えて、揺れていました
何かにすがるように手を伸ばしても
その安心は、ほんの一瞬だけ
まるで
乾ききった砂漠に
コップ一杯の水を注ぐような日々
それでも私は
誰もが「無理だ」と言ったその砂漠で
花を咲かせたかったのです
そこにいていい理由を
自分の手で見つけたかったのです
その花は、私自身
美しくなくてもいい
うまく咲かなくてもいい
それでも私は
“私らしい”という花になりたかった
誰にも見つからなくていい
誰かに認められなくてもいい
それでも私は
この乾いた砂漠で
咲こうと決めたのです
ひとり、静かに
風に揺れながら
夜空を見あげていました
流れ星が落ちるそのとき
誰かの願いが叶うのを信じて
私もまた、祈るように
そこに咲いていたのです
いまの私は
もう、大きな夢は持っていません
いいえ──
ここにいていい理由を見つけられた私は
もう、いちばんの夢を叶えたのです
だからいまは
誰かの頭上に降る流れ星を見て
誰かが咲かせた花に、そっと心を重ねて
その煌めきを希望に
それぞれの人生が咲きひらく姿を
静かに見届けていたいのです
それが
私がここに生きている理由なのだと思います