キューブリックに憧れて

キューブリックに憧れて

大阪人のロンドン滞在記。アート情報、日々の感動や驚きを徒然なるままに。

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時が経つのは早いもので、
大学院も修了し日本に戻って来ましたUFO
今度は東京で仕事探しなど頑張ろうと思っております。
ブログを始めたのもちょうど一年前で、
思ったよりもたくさんの方が読んで下さるようになり、
自分自身の備忘録としても楽しく書き続ける事ができました。
東京での生活が落ち着いたら、
また何か書き始めるかもしれませんが、
ロンドンのアート情報に関しては一旦終わりとなります。
いままでご愛読(たまたま読んだだけでも)ありがとうございましたニコニコ

最後の記事は、帰国にあたって、
大家さんが誘ってくれたネパール料理と、
クラスメイトたちとのパーティですクラッカー

大家さんたちとはご近所のレストラン、
Mama's という新しくできたお店でした。

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頼んだのはラムとチキンのカレーに、
野菜はなすとポテトでした。
ご飯は二人前で皆で分けて食べるのですが、
思ったより満腹で最後まで食べ切れませんでしたショック!

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一番美味しかったのはラムで、
チーズが入ったまろやか味でした。
食後にはフリーでお酒が頼めたので、
大家さんの旦那さんと、もう一人のフラットメイトはブランデー、
大家さんと私はベイリーズを頂きました。

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お店の人がとても親切で、
中国か日本の方かと思うほど、
目鼻立ちが同じ仲間でした。
ネパールという国に親近感ですひらめき電球

結局英語コースを終えた去年の9月から、
一年以上同じ大家さんにお世話になりました。
引越しを考えたこともありますが、
特別な問題もなく、交通の便も良く、
周りも静かで夜遅くなっても安心、
そしてチャーリーという愛犬の存在などなど、
本当に素敵な家に住む事ができてラッキーでした家

それから、ロンドン最後のフライデーナイトは、
去年の誕生日会も開いてくれたクラスメイトが、
私を含め帰国する子と、
11月に誕生日を迎える子の為に、
各国の料理や花火まで用意してもてなしてくれましたキラキラ

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いろんな世界から人が集まったクラスで、
様々な文化や考え方の違いを知ることができた上に、
つたない日本語アクセントの英語を優しく聞いてくれ、
とてもよいクラスメイトにめぐり合えたとしみじみ思いました。
学校で学ぶというのは、自分の知識を豊かにする事だけでなく、
たくさんの人と出会い、様々な経験を共にする中で、
お互いが成長できる事なんだなあとしみじみ思いました。

学校が終わってしまって、
今までの学校の終わりとは違って、
今回は皆世界へ散らばるので、
もう会えない人もたくさんいるかもしれないけれど、
もしかしたらまだ行ったことのない国で、
また再会できる日を楽しみにしたいと思います得意げ

終わってみれば一年はあっという間で、
楽しいことしか起きなかった気がするロンドン留学、
この経験を生かして日本でも人生を楽しみつつ、
またロンドンを訪れる機会に恵まれるよう精進したいと思います宇宙人

今でこのブログを一度でも読んでくださった皆様、
本当にありがとうございましたブタ

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雲一つない真っ青な空が広がったある日、
Strawberry Hill Houseという、
なんとも素敵な名前のお屋敷を見学してきましたいちご

19世紀、元々はただの村だった場所に、
元総理大臣の末息子、Horace Walpole 氏(1813–1894)が、
夏用の別荘を作り、周辺を開発した事で、
Strawberry Hill という名前が付いたらしいですメモ

総理大臣の息子ですからお金持ちで、
読書をしたり執筆をしたりする生活を送り、
建築やアートの収集に費やす時間がたくさんあったようですがま口財布
ゴシック様式を用いた建築で一躍有名になり、
ゴシック建築に関する本まで出版されています。
また、収集した絵画などを訪れた人に解説する為、
個人の別荘にも関わらず、
'A Descrtiption of Strawberry Hill' という、
解説書までご丁寧に作っておられます。
何と言うか、自分のセンスを最大限に生かして、
それを見せる事が使命とでも思っていたかのような、
ちょっと面白い方ような気がします得意げ

そう言う訳で1748年から1790年にかけて建設されたお屋敷が、
このたび900万ポンド、2年をかけた修復作業の後、
10月2日から一般公開されているのですクラッカー

まずこの真っ白な外観が緑と青に映えて、
もう十分過ぎる程に美しかったです。

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とげとげした飾りも気になりますが、
それより煙突(だと思う)が、
4本別々の柄が彫られているのに驚きましたえっ

大きさはそれほどばかでかくもないので、
あまり期待していなかったのですが、
外観を見て期待はかなり高まり、
いよいよ内部の見学を始めました。

とても面白かったのが、まだ修復作業中で、
来年にはさらに3部屋を公開する予定らしく、
そのまさに作業真っ最中の様子を見学できたのです
全てを綺麗に修復するのではなく、
オリジナルの壁紙や装飾を見える様に残していたり、
月日が経った様子と、
当時の豪華な様子を同時に楽しむ事ができました目

一番素敵な空間だったのは3階分の階段で、
暗い一階から天窓のある天井まで、
光がとても綺麗なグラデーションを作っていました。

キューブリックに憧れてキューブリックに憧れて

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また、この部分の壁紙は、
サーモンピンクのものが1960年代に塗り替えられたもので、
その下にオリジナルの灰色の壁紙が見えていましたアート

一番豪華だったのは深紅と黄金が美しい、
Gallery の装飾でした。

キューブリックに憧れてキューブリックに憧れて

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天井の金色がほんとうに良く映えています。
その他の部屋でも天井はどれも見事でしたキラキラ

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でも、Library として使われていた部屋の天井だけは、
金色ではなく絵になっていました。

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この部屋ではとにかく本棚がいちいち見事です。
暖炉の上の装飾なども、
教会を小さくして図書室に作り変えたような趣です本

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Tribune という部屋は金箔をはる作業中で、
床には金箔が散らばっていました宝石白

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さらに、建物の窓はほぼ全てに絵が描かれていて、
そのステンドグラスをひとつ一つ見るだけでも楽しいです。

キューブリックに憧れてキューブリックに憧れて

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紋章から、恐らく宗教上の絵、
動物や庶民らしき人の姿など、
様々なモチーフが描かれていて、
一つだけ苺も見つけましたひらめき電球

Walpole 氏が収集した絵画などは展示されていませんが、
買い戻してもいるらしいので、
修復が終わったら飾られたところも見てみたいものです得意げ

ちなみにお隣はSt Mary's University Collegeという、
一番古いローマカトリック教の大学があり、
そちらも素敵な建物でした。
すぐ側にはテムズ川が流れていて、
帰りにはRichmond Bridge 周辺で、
川を眺めながらコーヒーで一服しましたコーヒー

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Richmond は久しぶりでしたが、
やっぱりこの景色は落ち着きます晴れ
(苺のカードはお屋敷で衝動買い汗

Selfridges の Ultralounge で、ヤングな作家を紹介する、
'Anticipation: An Exhibition of London's Best Emerging Artists'
という展覧会が行われています。
どんな新しい作品が見られるのか、
期待を胸に行ってみましたUFO

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まず、Ultralounge の企画は、
いつも会場が黒くて展示ケースなどもお金がかかっている感じなのに、
今回は普通のギャラリーのような白い壁で、
シンプルな展示をしていて、
一見Saatchi Gallery やWhite Cube のようでした目

目の前で視界を遮っていたのは、
Gavin Wever 氏のチュールを使った作品で、
そのすぐ隣には一瞬爆弾にも見えてしまった、
空気が入っているらしい作品です。

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Gavin Wever 'Untitled' (2010)
Russell Hill 'Airwicks' (2010)


何と言うか、この一年、
こういう若手と言われる作家の作品を、
あちこちでたくさん見たなあと思いました目

ひとり一人の作家のポートフォリオは受付に一冊ずつあって、
キャプションには説明が書かれていないので、
初めて見る作品を読み解く手間を省いてしまったので、
気になった作品をササッと紹介して行きます本


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Darren Harvey-Regan 'Aletheia' (2010)
Blue Curry 'Untitled' (2009)


剥製や鮫の歯も、
ロンドンでは本当によく見かけますうお座

一人だけ見た覚えがあったのは、
ブロンズとは思えないチープな、
ギラギラケバケバした印象が残る、
Lucy May 氏ですひらめき電球

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Lucy May 'Excrescence' (2010), 'Throat of Venice' (2010)

'Excrescence' というのは、
'無用の長物'とか'異常生物'という意味らしいですが、
どっちも作品にピッタリな言葉に思えます。

とても綺麗な植物のドローイングが、
離れてみると骸骨になるのも素敵でしたキラキラ

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Mercedes Baliarda 'Through both realms for ever Nr.27' (2010), 'Nr.29' (2010)

日本人の方も一人いて、
仏像のような佇まいで、
ドキッとする場面が作られています。

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Masa Suzuki 'Begger with a Cup' (2009)

写真の作品も少しあったのですが、
どちらも美しいけれどなんとなく陰鬱な空気感を漂わせています。

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Noemie Goudal 'Les Amants (Cascade)'(2009)
Robin Friend 'From the Belly of the Whale (Shipwreck)' (2008)


どちらもコーナーを使って展示されていた、
抽象的な彫刻たちです。

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Jack West 'Flying Mchine Nr. 2' (2010)
Joanna Slusarczyk 'Describing a Corner' (2010)


以上の作品以外にも、全部で21名の作家が、
Kay Saatchi 氏、Catriona Warren 氏、
そしてRobert Dingle 氏という方々によって選ばれていました。
全ての作品は購入可能で、
値段リストももらえます。
よく考えたら、商売が目的のデパートで、
まだ売れるかどうか分からない作家を、
これだけ紹介すると言うのは貴重な事のように思いましたがま口財布

せっかく(はてなマーク)ロンドンにいるのに、
マーケットにあまり行かないのですが、
やたら人が薦めるColumbia Flower Market へ行って来ました走る人

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朝の8時から14時ごろまでの、
東ロンドンのColumbia Road で、
毎週日曜日のみ開催される花のマーケットです。
早起きは辛いし寒しいなあと躊躇もしたのですが、
11時半ぐらいに行けば良いと言われたのも、
実行に移す事ができた一つの理由ですUFO

そして言われた通りに11時半頃に着くと、
思ったより人がごった返していて、
のんびり写真を撮るために立ち止まるのも申し訳ない程でしたかお

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花屋のおじさんや子どもたちがかけ声を飛ばし、
「£5」を「ファイバー」みたいな独特の発音で叫んでいて、
時間が遅くなると値下げなども始まりますカラオケ

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とりあえず二往復ぐらいして、
町で買うより安いしせっかく訪れた記念に、
三束で£5の花束を買って帰りましたブーケ2

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たくさん種類があるのにおじさんに急かされて、
あっぷあっぷしたもので変なチョイスになりました。
でも薔薇がとても良い香りで、
キッチンに生けたら大家さんが喜んでくれました得意げ

そして花だけでなく、ちょっと筋を入った所や、
道沿いにあるお店やカフェを覗くもの楽しみの一つで、
お昼ご飯はサーモン&クリームチーズのベーグルを頂きました。

キューブリックに憧れてキューブリックに憧れて

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値段が何処にも書いてなかったのですが、
コーヒーがついて£4だからまあまあです。

別の筋を入った所には、
ツタで覆われたカフェがあり、
お姉さんは生ガキを売っていましたうお座

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おまけに、カフェではなくどうみても普通の家ですが、
窓の所で女の子がカップケーキを販売中でした。
この女の子と、マーケとの入り口辺りで、
綺麗な歌声で歌っていたお姉さんの格好をみて、
外国だなあとしみじみ感じました宇宙人

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一番長い時間を過ごしたのは、
ビンテージの食器などを扱うお店で、
置いてあるもの全てが素敵で、
お金さえあれば全部を一つずつ欲しいぐらいでしたが、
迷いに迷って何とか二つに絞った結果がご覧の通りですキラキラ

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向日葵を選んだのは、
Ai Weiwei 氏の作品の影響だと思われますヒマワリ
ちなみに、店を出て看板を見ると、
お店の名前は'Vintage Heaven'、
まさしく天国のような場所でした天使

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思ったより大きなマーケットではありませんでしたが、
何往復しても疲れない丁度よい大きさで、
花だけでなく素敵お店にもたくさん出会えて満足でしたチョッパー

Barbican のCurve という場所を使った The Curve というシリーズ、
今回はDamián Ortega 氏(1967年、メキシコ)による、
'The Independent' という、インスタレーション作品ですクラッカー

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'The Independent' は、新聞社の名前で、
8月29日から9月27日まで新聞に載った記事から、
何か一つの事を選び、それに対してのOrtega 氏の解釈が、
彫刻として一日一つずつ制作されたものが、
インスタレーションとして構成されていますメモ

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毎日膨大な量の出来事が新聞に載るけれど、
新聞自体は一時的なメディアで日々新しい記事が書かれ、
どんどん過去は過去として消えて行く、
さらにインターネットなどの出現により、
新聞というメディア自体の存在意義も変化しかねない、
などと行った様なことも踏まえて、
今回のような形態の作品が完成したようです。

展示は、ひとつ一つの作品に、
一つの新聞記事が対になって展示されていました。

キューブリックに憧れてキューブリックに憧れて
'Immigrant Song'30 August
'Ulysses Way' 31 August


キューブリックに憧れてキューブリックに憧れて
'British Petrol: Dirty Martini' 4 September
'Watching You Without Me' 17 September


とりわけ凄かったのは、Ortega 氏がよく使うらしい、
モノを解体してつり下げている作品でした。

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'Architecture Without Artchitects' 5 September
'Waves in' 20 September


特に誰かの部屋が解体された様なのは、
ギャラリーの一番最後の作品だったので、
一番意味深長でした宇宙人

それぞれの作品が繋がり無く、
適度な距離感を感じさせながらも、
全体としてはこぎれいにまとまっていました。
そして作品と見る側の間の距離感は、
世界で起きている出来事と、ひとり一人の、
日常生活の間の距離感にも似ているのかもしれません。
だから、作品を見ていても近づききれないというか、
どこか別の世界を彷徨っている様な気さえしましたUFO