今回はステア特性について調べてみました。

ここしばらく学術的なトピックが続きますが、興味がある方は見てみてください。

1. ステア特性

レースや車の評論記事を見ているとよく「アンダーステア」だとか「オーバーステア」だとかいう言葉が出てきますね。

これらのXXステアというのは、コーナリング中にアクセルをふかして車を加速させた際、走行ラインを維持するためにハンドルをさらに切り足す必要がある車か、または逆にハンドルを緩めないといけない車か、車の特性を表す言葉です。

ステア特性には車重や重心位置、タイヤのグリップといった車のセッティングが関連してくるのですが、それらのパラメータが与える影響を理解するため、いつもと違って物理的な式が出てきますが、ゆるく見ていただければ良いかと思います。



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ちなみにアンダーステアとオーバーステアどちらが良いと思いますか?
一般的にはハンドルを切り足して調整できるアンダーステアの方が安全だと言われています。そのため大体の市販車はアンダーステア側に設計されています。つまり、大衆車で街乗りをしていてオーバーステアの状況に会うのはリアがスリップした時などの非常に危険な状況ということですねチーン
レーシングドライバーの中にはオーバーステアが好きな人もいるようです。

次にステア特性が切り替わる条件を見てみましょう。

2. ステア特性切り替わり条件

ステア特性に主に関わってくるのは車の重心位置(ダウンフォース込み)と前後のコーナリングパワーの比です。
重心からタイヤまでの距離と前/後タイヤのコーナリングパワーを前側と後側でそれぞれ掛け合わせて車の回転を抑える力(モーメント)を出します。

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前側の方が、後側よりも回転を抑える力が優っている場合はオーバーステア(リアを安定させる力が弱い)、その逆はアンダーステアになります。

具合的な条件出しをすると以下のようにいえますね。

・重心が後ろ寄りなほど
・リアタイヤのコーナリングパワーが弱いほど
 (タイヤや前後重量配分で変わります)

オーバーステアになりやすい。

S2000は純正で前後重量バランス50:50なので回頭性は良いですが、攻めすぎると危なそうですね。。。リアタイヤがフロントタイヤよりも幅広なのでスピンしにくくなっているとは思いますが。

3. 限界コーナリング速度(スピン限界)

車両がコーナリング運動している際に車にかかっている前進力、旋回力とタイヤのコーナリングフォースの釣り合いの式を立て、旋回半径が0になる限界点を導出すると下記のようになります。

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この速度を超えてステアリング調整なし(上の式はステアリング調整なしの前提)でコーナリングするとスピンしてしまいます。

こちらに関しても具体的な条件出しをすると以下のようになります。

・ホイールベースが長いほど
・車両重量が軽いほど
・タイヤのコーナリングパワーが強いほど(もちろんダウンフォースが強いほど)
リアタイヤのコーナリングパワーが強いほど

限界速度は上げられる。

レーシングカー作りでメーカーやチューナーが注力している項目ですね。
サーキット走行される方には役立つ情報かもしれません。