今回は簡単にではありますが、タイヤについてお話しします。

車と路面とはコンタクトパッチと呼ばれる限られたエリアで接しています。
駆動力やコーナリングフォース、制動力はこのエリアを通して車から地面に伝えられるため、非常に重要なエリアだと言えます。


コンタクトパッチはタイヤを上から押し付ける力が大きいほど大きくなりますので、車体姿勢によって変化します。
加速中は車が後ろのめりになるため、リア側のコンタクトパッチが大きくなり、ブレーキ中は逆に車体が前のめりになるため、フロント側のコンタクトパッチが大きくなります。コーナリング中は遠心力により、旋回方向に対して外側のコンタクトパッチが大きくなります。

・このことから加速時はFRやMRなどのリア駆動の車の方が効率よく駆動力を発揮できることがわかりますね。

また、ブレーキ時には前輪に荷重が乗り、フロントコンタクトパッチが大きくなるため、静的な状態に比べてより大きなコーナリングフォースを使える状態であることが理解できると思います。


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また、コンタクトパッチの大きさ、形状はタイヤトレッドやキャンバー、タイヤ内圧によっても変化します。タイヤトレッドが広く、内圧が下がればコンタクトパッチは大きくなり、結果として駆動/制動力やコーナリングフォースをより効率的に発揮できるようになります。ネガとしては、路面との摩擦力が増えるのでタイヤの転がり抵抗が増してしまいます。

コンタクトパッチを通して車が地面に伝えることのできる力の量はもちろん上限があります。

そのため駆動力か制動力が増えれば、その分、コーナリングフォースに使える力が少なくなってしまいます。

ブレーキを踏みながらコーナリングしてしまうと従来使えるコーナリングフォースが制動力に奪われて、減ってしまうことが分かると思います。急カーブ手前で十分に減速する必要があることがわかりますね。

s2000 の純正タイヤトレッドは前側215、後側245とリアタイヤの方が大きいので、リア側の方が車から地面に伝えることのできる力のキャパが大きいことが想像できます。

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出典 s2ki.com

コーナリング中に加速した際、前輪の限界が後輪の限界よりも先にくると、前輪が滑ってハンドルを切ったよりも曲がらないアンダーステア、逆に後輪の限界が先にくると、後輪が滑ってハンドルを切ったよりも曲がるオーバーステアになりますが、後者は最悪スピンにつながるため、アンダーステア側に設計しているのだと思われます。

サーキットを走る方でS2000の排気量をあげたり、ターボ化した際にはタイヤサイズの変更には注意した方が良いかもしれませんね。