お盆で実家に、帰った。
朝早い、飛行機に、乗って。
旦那さんと一緒に、2回目の、帰省。
ああ、懐かしいこの、なにもかも、淡い景色。
空港に迎えに来てくれた、
父の髪。こんなに薄かったかなぁ。
この前会ってから、
そんなに、経っていないのに。
帰ると、いそいそと母がもてなしてくれ、
わずか数日しか滞在しないのに、
寝具などさまざまに、旦那さん用のものも、
新調してくれてある。
わたし抜きでも、話が弾んできた。
夜、お酒が入ると、
話は止まらない。
わたしへの愛情やら恨み、
いらだちやらさみしさやら…
たくさんの親の思いのもろもろが噴出してくる。
こっちだって、応戦する。
家族だから、良いんだ。
家族だから、思いきり、ケンカできるのだから。
こういうときはカッコつけず
溜めずに口から出すのが、結局いちばん早い。
でも、
大きくなってからあまり、
母のからだに触れたことがないような気がするけど
ああなんて、
母は小さくなったんだろう。いつのまに。
いつも身なりは小綺麗にしている人だから、
気がつかなかった。
かつては、大きなバレッタで収まりきらなかった
豊かな髪も、いまは地肌が目立ってきてる。
「ちほが幸せで笑顔でいてくれれば、
それだけでいいんだ」と泣く母に、
いままで湯水のように浴びてきた親の愛情は、
なんと贅沢だったのだろうと、
はじめて身にしみる。
なんでいままで、気づけなかったんだろう。
そして、ほんとうにほんとうに、
幸せになる覚悟は、できてるだろうか。
まだまだなんとなく、
自分を鈍感にして、やり過ごしてるな。
そして、いつでもあたりまえに
あると信じきっていたこの居場所も、
決して永遠などではない。
もうずっとすこしずつ、
手から砂が、こぼれるみたいに、
失いつつあるんだ。
この家だって、いつのまにか、
あちこち直すくらい、古くなって。
それを正面から見たくなかったのは、わたし。
甘えてばかりでいい、子どもの時代は
とっくに終わってる。
ああ、こんなにもあったかい、
これ以上ないくらいの居場所から、
わたしはもう、自分から飛び出してしまったんだ。
エゴでも執着でも、なんでもいい。
どうか、もう少しだけ、
止まっていてください。
素直におめでとう、まだちゃんと言えてない。


