刻々と変わる空模様を睨みながら、

淡々と機体をチェックする整備士のように

こまかい調整、

スケジューリング、

コミュニケーションは緻密に

めまぐるしさのなかでも

自分なり精一杯のフライトの準備を

整えています。

フライトは常に、100かゼロ。

あいだの30%や50%などは

いつだって存在しない。




旅の途中で、出会ったひとたちのなかにも

ここで

お別れしなければならないひとたちもあり

はじめはなにげない、

ほんのささやかな出会いであっても

時間を重ねることで

実はたくさんのことを与えてくれていたことに

手放すときには気づかされる。

表面的にはお互い、まったくちがう現実に

向き合っているかのように見えても

根底の気づきはなぜか共通していて

それを見せてもらうことで

ともに学び

ともに成長し

素晴らしいときも過ごした

きっと、まだまだお互い変わっていく。

むしろ、ここからはじまるくらいだ。

こんなとき、さよならはすこしさみしいから、

「またね」と言って、手を振る。

確かに、図らずも縁があり

また人生のどこかのタイミングで、

ふたたび出会えるひともある。

そうならないともかぎらないから。

それは、神のみぞ知っていて

私たちにはいま知る由もない。

あとで、「こういうことか」と

にんまりさせられることはあっても。



手を振って見送ってくれている整備士たちが

見る見るちいさくなるような

ちょっとせつない時間。

ほんとうは、家族でさえ、

もっとも大切なひとでさえ、

人生の一側面を、

共有してるのにすぎないんだろう。

たとえ、生きてるあいだをずっとともにいれたとしても

最後のフライトでは、別々になるだろう。

そんなことを考えながら

空港で

行き交う飛行機をながめるみたいな

時間はなぜこんなに、

美しいんだろう。

旅はまだまだ続く。