コースタイム
3月19日
8:50土合駅-9:04登山口-12:06松ノ木沢ノ頭-13:27白毛門山-14:42笠ヶ岳(避難小屋泊)

3月20日
8:10笠ヶ岳-9:07白毛門山-10:00松ノ木沢ノ頭-12:10登山口-12:26土合駅

雪化粧した谷川岳は美しかろうと,谷川岳の展望台白毛門山に行った.計画時は笠ヶ岳の周辺で幕営し,2泊3日で中1日は停滞して谷川岳を眺めながら酒でも飲もうと思っていた.
とりあえずバカンスしたかったので,食料と酒と酒だけで6キロくらいの大荷物になった.
さらに最近購入したECWCSパーカーの性能試験も兼ねる.

2014年3月19日
 長岡駅発の始発に乗って土合駅に移動した.さすがに平日は下車するものはいなかった.
 天気は曇り,前数日が非常に気温の高い日が続いていたので雪崩に注意せねばと思った.
 駅から少し車道を歩いて土合橋の手前が登山道の入口である.豪雪地である水上は路肩の雪が見上げるほどに積もっていて,一瞬登山口の入り口がわからなかった.路肩の雪をよじ登って登山口に入った.[上:ヒートテックシャツ,ECWCSパーカ.下:防寒ズボン]

 

 深い雪を見越して今回は輪かんじきではなく一番良いMSRのスノーシューを持ってきた.登山口入ってすぐにスノーシューを使い始めた.最初に橋を渡るのに苦労したが,先週末に来た登山者のものか,トレースが残っていたので道を見失うことはなかった.

 登り始めてすぐ林の中を登る.無雪期のコースは知らないが雪が積もっているので直登する.雪は深いが,前日に雨でも降ったのかしっかりとしていたので順調に登ることが出来た.

 

 登るに連れてだんだん木が少なくなってきた,太陽も出てきた.高度も上がって木の間からスキー場のほうが見えてきた.雪質は溶けてちょっと悪そうだった.

 最初の斜面を登り切ると尾根になった.右手側は切れ落ちていて雪庇上になっていた.所々ヒビ割れ始めていた.スノーシューは相変わらず素晴らしい性能を発揮していた.

 松ノ木沢ノ頭への斜面はなかなかの急登だった.すっかり晴れて暑かった.一息入れようと立ち止まり周りを見たら,絶景だった.

 

 雪化粧した谷川岳東壁が目の前に広がっていた.今回の登山で見たかったものはそれだった.気持ちの昂りが抑えきれずに独りで大騒ぎしてしまった.

 

 松ノ木沢ノ頭の斜面の頂上には雪が張り出していて崩れてきそうで少し不安だったが今回は大丈夫だった.これを登り切ると正午を回ったので少し先で昼食にした.昼食はサンドイッチだった.


 

 ここまで来ると白毛門の山頂が見える.南側の斜面は雪が所々ヒビ割れて雪崩れる気満々といった所である.登山道上も雪庇の上を歩いているようなところがあって集中した.[上:ヒートテックシャツ,フリース,ECWCSパーカ.下:防寒ズボン]

 

 昼食後1時間ほど登って白毛門山頂に出た.どんどん景色が良くなって谷川岳の写真を何枚も何枚も撮った.

 

 山頂からの景色は素晴らしかった.今まで歩いたことのある谷川岳や一ノ倉岳,武能岳の美しい姿にため息が出た.特に一ノ倉沢などは登ってみたくなってしまう魔性を感じた.日差しがかなり眩しくてサングラス無しではあまり長時間見つめていられないのがもったいなかった.

 

  

 

 一頻り景色を堪能して次に笠ヶ岳を目指した.白毛門から笠ヶ岳に向かう人はあまりいなかったようで,スキーの轍が1つ笠ヶ岳に向かって伸びているだけだった.

 

 

 笠ヶ岳も登りが急で大変だった.更に登るに連れて風が強くなり始めていよいよ天気が崩れてくるかと思った.おそらくいつもそれなりに風は強いのだろう.凍っている斜面は風に削られて波打っていた.しかし相変わらずスノーシューで登ることが出来た.

 

 笠ヶ岳の山頂に出るとまず標識に氷がついて速度勾配の図みたいになっていたので笑ってしまった.風で体感気温は寒かった.山頂のすぐ下に避難小屋が見えた.

 

 

 山頂にしばらくいた後避難小屋に行ってみた.避難小屋はほとんど雪に埋もれていた.避難小屋の周囲で幕営しようと思って計画していたが,強風でテント設営がしんどそうなので避難小屋を使わせていただいた.

 

 スコップで避難小屋のドアを発掘してドアをこじ開けると中まで雪が入り込んでいた.中の雪をかき出して小屋の中でくつろげるようになるまで1時間ほどかかった.
 小屋は隙間風が若干あるくらいで雪に埋もれているおかげか,かなり快適だった.早速酒盛りと夕食作りをした.炊飯の時レトルトハンバーグを入れてハンバーブライスとハムと乾燥わかめと切り干し大根の塩コショウスープを食べた.

 

 食後はラジオで気象情報だけ聞いて寝た.思いの外ラジオ電波の入りが良かった.翌日の天気は太平洋の低気圧が頑張っちゃうみたいで悪天候が確定した.外で聞こえる風の音もひどくなってきていた.

3月20日
 避難小屋の中は快適でぐっすり眠れた.山での朝寝坊も一人登山の醍醐味だ.
 ラジオを聴きながら朝食をとる.昨日の残りのご飯とパンを食べた.気象予報では太平洋の低気圧が台風並みに発達して冬型の気圧配置になるとか.避難小屋の屋根に風と雪の粒がぶつかる音がした.

 朝食を食べて用足しがてら笠ヶ岳山頂に偵察に出た.外は前日とは別世界で視界数メートルで猛吹雪だった. 笠ヶ岳山頂の標識はさらなる進化を遂げて美しい氷の芸術と化していた.

 小屋に戻って作戦会議.停滞か下山か.土曜日バイトだし停滞してドカ雪降ったら足跡消えて帰りにくくなるので結局強行突破して下山することに決めた.
 準備を整えて8時過ぎに笠ヶ岳避難小屋を出発した.始めからアイゼン,ピッケル装備で行った.また砂漠地帯で使われるスカーフ,シェマグは山でも有効だった.[上:ヒートテックシャツ,フリース,ECWCSパーカ.下:アクリルウールズボン下,防寒ズボン,レインパンツ]

 

 笠ヶ岳山頂を通過し,前日登った斜面を下る.本当に視界が悪く数メートル先も見えない状況だった.コンパスを眺めながら慎重に道を選んだ.

 

 そろそろ着く頃だ.を何度も繰り返し白毛門の山頂に戻って来た.時間的にはそんなに悪くなかった.昨日と同じ山頂だが別の山のように感じた.途中でストックの長さ調節機構が壊れて使えなくなった.

 

 

 白毛門から少し下ったところで氷が少なくなったのでアイゼンからスノーシューに変えた.
 またしばらく下って何かがおかしいと思ってコンパスを見たら西に進んでいた.左手側に行き過ぎると雪庇から落ちてしまうのでビビって「下る時は右手に樹林帯」という意識が強すぎて道を間違えていた.引き返して今度は正しい道に戻ることが出来た.相変わらず吹雪いていて集中力が切れてきているようだった.

 

 下りは登りよりは体力を消耗しないが,新雪が積もった斜面はサラサラと崩れて身体に変な力が入って結構疲れた.来る時の急坂は下るときも急だった.
 下山するに連れて風が弱まり視界も徐々に回復した.樹林帯が近づいてくるとただの雪になって暖かくなってきて雪も重くなった.

 

 完全に林の中に入ったら雪は雨に変わった.視界は完全に回復し,谷川岳ロープウェイの建物が見えた.雨で雪が融けて足元が緩んで非常に歩きにくかった.

 

 最後の下り斜面は雪がズルズルで転げ落ちるように下りた.雨と汗冷えで少し寒く感じた.
 登山口まで戻ってきて,土合駅に移動した.13時台の電車があったのであまり待たずに帰宅出来た.

 

 

 

まとめ
見たがっていた雪の谷川岳を素晴らしいコンディションで見ることが出来た.スノーシューとても有効で,滑落の危険がない場所だったら全体的に使えた.
今ブログを書いている時点で昨日の太平洋上の低気圧は978hPaに発達している.2日目で帰ってくる判断をしてよかった.
ECWCSパーカはフードがちょっと小さいので防風性が少し低いが使用には問題なかった.
途中で壊れたストックは帰宅後分解清掃したら長さ調節でシャフトをロックするネジが破損していた.モンベルサポートに問い合わせ中だ.

食料リスト
米:5合,アルファ米五目ご飯:2包,ラーメン2袋,食パン6枚切り:1袋,ロールパン5個入:1袋,レトルトハンバーグ:2個,ハム:1本(3001g),スライスチーズ:8枚,小袋マヨネーズ:4袋,乾燥わかめ&切り干し大根,柿の種:6袋,するめ:1袋,オレオ:2袋,乾パン:1袋,ミックスナッツ:1袋,カロリーメイト:2箱,キットカットチョコバー:2本,日本酒:720ml,ワイン:720ml