「週末何してたん?」
休み明けに交わされる軽い会話である。
が、私にとっては凄まじいプレッシャーでもある。
なぜそんなことを話さなければならないのか。
知っている。相手も会話の糸口を探している。
私のここ最近の趣味は園芸だ。
種を植え、庭木を切り、植物の成長を見て楽しむ。
同世代に同じ趣味を持つ人は少ない(と思っている)
植物が相手の趣味なので、頻繁に動きのあるものではない。いや、水やりだの消毒だので忙しい時期もあるのだろうが、人に話して聞かせるようなものでは無いような気もする。
園芸が趣味というと、野菜作ってんのか、とか聞かれたりするけどそうじゃない。
緑を眺めるのが好きなんです。
「ふーん」
と、興味ないですのテンプレのような言葉しか返ってこない。
「木の種類とかわかるんだ?」
それもちょっとちがう。
なんとなく気に入った木を育てたり、フリマアプリで購入した種を発芽させて遊んでるだけで、樹種に詳しいわけではない。
なんと答えたらよかったのか。
樹木の知識を増やして披露したら、会話は盛り上がるだろうが?そんなわけがない。
そもそも答える必要すらないのだろうか。
スポーツとか旅行とか言えばいいのだろうか。
それなら話を合わせやすいものな。
同じチームを応援したりするのは話も盛り上がるだろう。
でも残念ながらスポーツ系の趣味はない。
嫌いではないのだけどね。
僕の趣味の話は会話の糸口になりそうにない。
川沿いの園芸店に売ってたヒバが可愛くて、衝動買いして、黒い小さな鉢に植え替えて喜んでたら陽射しが強すぎたのか、葉っぱが巻いちゃって焦ったけど水やってしばらくしたらもどったわよかった。
みたいな話をすればよかったのか。会話になるのかこれが。
これを早口で捲し立てても、返ってくる言葉は
「ふーん」
だろう。
アクティブでなければ、会話は成り立たないのか?
同じでなければパッシブな趣味に意味はないのか?
てかなんでみんな毎週末そんなアクティブなんだ?
もういいや
結局は話し手次第っす。